現監督就任後、カウンター攻撃一辺倒をやめたパラグアイ 

 日本代表は29日の決勝トーナメント1回戦でパラグアイ(FIFAランキング31位)と激突する。どちらも勝てば初の8強進出だ。

  日本代表のこれまでの戦いぶりからすれば、「パラグアイには勝てる」と期待する向きは多いだろう。

 ワールドカップ開幕後、両チームの試合日程やスタジアムの条件は、ほぼ互角だった。

 日本(グループE2位 2勝1敗)

 ①6月14日 カメルーン戦 ブルームフォンテーン(標高1400メートル)
 ②6月19日 オランダ戦 ダーバン(標高0メートル)
 ③6月25日 デンマーク戦ルステンブルグ(標高1500メートル)

 パラグアイ(グループF1位 1勝2分け)

 ①6月15日 イタリア戦 ケープタウン(標高0メートル)
 ②6月20日 スロバキア戦 ブルームフォンテーン(標高1400メートル)
 ③6月24日 ニュージーランド戦 ボロクワネ(標高1310メートル)

 どちらも、グループリーグでは、高地→低地→高地と短期間での移動を強いられた。グループリーグ最終戦から決勝トーナメント1回戦までは、日本が中3日、パラグアイは1日長い中4日となる。疲労の回復面ではパラグアイが有利だ。

 しかし、パラグアイは、決勝トーナメント進出を決めたニュージーランド戦で苦戦、決定機が訪れた試合終盤でもゴールを奪えず、0-0の引き分けに終わった。日本と同じく引き分けでも、リーグ突破が決まる状況で敢えて無理はしなかった。 

 パラグアイは4大会連続、8回目の出場。国民的な人気を博す代表FW・カバニャスは今年1月、メキシコで頭部を狙撃された。カバニャスはウルグアイ「エル・パイス紙」が選出する2009年の南米ベストイレブンにパラグアイ代表でただ1人選出された点取り屋。命は助かったものの、銃弾は摘出困難な箇所に残っているという。

 サッカーのスタイルは、隣接するブラジルとアルゼンチンの影響を受けてきたが、両国ほど攻撃的といえない。

 これまでの得点源は、縦パス一本のすばやいカウンターが主体だった。ところが元アルゼンチン代表のマルティーノ氏が監督に就いた07年2月以降は、カウンターに加えて中盤から組織的なパスで相手を切り崩す、ボゼッションも身に付けた。攻撃はポストプレーが得意なサンタクルスと縦への突破力に優れたバルデスらが中心。

 最大の武器は南米予選の18試合を16失点(2位タイ)で切り抜けた堅守。ブラジルに1勝1敗、アルゼンチンには1勝1分けと互角以上の戦いをした。最終ラインのセンターバックは、敵のロングボールやクロスを跳ね返すだけでなく、ボール奪取力にも優れる。GKのビジャールは小柄だが、安定感があり、日本が中央突破でゴールを決めるのは容易でない。

 だが、日本の目標はベスト4。決勝トーナメント進出を決めても、気持ちを緩ませている選手はいないはずだ。パラグアイに1対1の場面をつくらせず、これまでのように数的優位な状況を保つことができれば、グループリーグで自信をつけた日本の勝機は十分あるだろう。

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