先月は寒締め野菜(ホウレンソウ)について掲載した。テレビに紹介された事も有り大変な反響だった。残念だったのは、収穫、出荷が終わる頃に紹介されたので、多くの消費者の皆さんにその良さを徹底出来ないまま終わってしまったことだ。しかし、経営的にも見通しが立ち、北海道の新たな特産物となる可能性があるので今後近隣の農家に推奨していきたい。
今月は第2弾として、越冬野菜を紹介する。北海道の冬は寒く、雪が多い。また、ビニールハウスがあっても暖房を使ってまで栽培すると採算が合わない等の理由から北海道の冬には旬の野菜(特にビタミン類)が無いとまで言われている。その為、九州や本州或いは中国などの外国から入って来る旬の野菜に高いお金を払って不足しがちな栄養分を補っている。しかし、本当に北海道の冬には旬の野菜が無いのだろうか。
私がまだ子どもの頃、輸送機関が発達していなく本州から入ってくる野菜は殆ど無かった。そこで、どの家庭でも夏に貯蔵用の野菜を栽培し秋口に土の中に貯蔵。雪を掘って取り出しそれを食べて冬の栄養源にしていた。ホウレンソウやコマツナ、春菊などの緑の野菜を採らなくても風邪を引くわけでもなく元気そのものであった。貯蔵野菜で十分栄養分がまかなえると言う証で有る。ちなみに我が家では、キャベツ、ハクサイ、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、バレイショ、ナガイモ、タマネギ、ネギなど(注:種類によって貯蔵法が違う)春まで殆ど野菜は購入しないで済む。
これらの野菜は冬期間土の中で休眠しその間に熟成する。春を向かえる頃、徐々に休眠から目覚め発芽の準備を始める。いわゆる子孫を残す準備を行うのである。その時の野菜の体内には子孫を残すための養分を全て蓄える。それを頂くわけであるから最高の美味しさである。
例えばジャガイモはデンプンが主成分で、糖分は他のイモ類に比べてずっと少なく、ビタミンB1、B6、Cが比較的豊富である。特に、ジャガイモのビタミンCは加熱しても失われ難いことが特徴で、丸ごと40分蒸しても3/4は残っていると言われる。さらに、イモ類の中では珍しいアルカリ性食品で、ミネラルのカリウム(K)や鉄(Fe)も豊富である。そして春を向かえる頃、これらの養分に加えてデンプンが糖に変わり甘さを引き立てる。
その野菜の貯蔵法を紹介する(写真参照)。
少人数の家族の場合は面積1平方深さ50センチもあれば十分。これぐらいの広さに土を掘り上げてその上に板を載せておく。板の上には土を載せるが雪の多いところでは土をあげると蒸れることがある。また、少ないところでは土をかぶせて保温する。ただし、地下凍結するところではこの方式は通用しないので注意。
写真・ダイコン、ゴボウ、バレイショ、ニンジンどの野菜も雪の下で長い間熟成
写真・堀り上げられた旬の野菜
写真・洗ってざるに上げられた野菜。何の料理に使うかな?
写真・私のゼミ生で野菜の専門家を目指す田村君が右手に持つダイコンは、店で購入した茨城産。左手のダイコン(伊達産)とかごのニンジンは左が千葉産、右は秋口に貯蔵して掘り出したもの。こちらのダイコンとニンジンは見かけこそ良くないが、おろしなどにして食べ比べれば、きめが細かく甘みは濃厚、味は格別
イラスト・ダイコンの貯蔵法 土を掘りダイコンを立てて図のように並べる。ダイコン同士を密 着させて隙間の無いようにするのがコツ(注:地下凍結する地方はこの方法は向かない)
イラスト・大量に野菜を貯蔵する法
1.いな藁または麦幹を土の上に敷き詰める
2.越冬野菜を積む
3.いな藁または麦幹で図のような傘を作りその上にかぶせる
4.その周りに30センチ程度の土をかぶせる。その周りを水はけを考えて浅い排水溝を作る。傘の部分に は野菜の呼吸を考えて土は盛らない
写真・長谷川豊教授


