ハーブな絨毯と北海道のハーブな野菜の中で

ハーブ園

開拓をはじめた5月のハーブ農園(上)と秋のハーブ農園

  ススキが秋風にそよぎ、ドウダンツツジが紅く色づきはじめ、ハーブ農園は少しずつ紅葉に包まれてきました。5月からハーブ農園の開拓を始めてきましたが、あっという間に5カ月が過ぎようとしています。農園の風景も季節ごとに姿を変え、ようやく収穫期を迎えました。

 

ハーブの絨毯

農園で生産するハーブの絨毯(上)とハーブを出荷する様子


 農園のスーパーハウス前のスタッフが作ったモデルガーデンは、来客の評判も良く、特に座って香りのするベンチはみんなの癒しの空間になっています。ガーデンファニチャーはスタッフのデザインで、横浜そごうでの展示の打ち合わせが進んでいます。ベンチを制作していただいた木材店から、漁業を仕事としている人の冬の仕事にならないかとの相談を受け、北海道の間伐材を材料に作ることで検討しています。

 

モデルガーデン(上)と香りのするベンチ

モデルガーデン(上)と香りのするベンチ


 ハーブ農園に訪れる方々との交流から、私をはじめスタッフ一同多くの事を教えていただきました。人だけではなく、鳥や動物たちの訪問もありました。

 特にエゾシカの訪問には頭を悩ませたり、学習させられたり...農家の方々の苦労も経験しました。みんなで収穫を楽しみにしていた枝豆は全滅...!今は大根が首を出しましたが、葉は食べず、青首の美味しいところをむしゃむしゃ。ところが...ハーブはお嫌いのようで食べられてはいません。

 エゾシカが農園に食べ物を探しに来た時、ルバーブとフェンネルが食べられていたようですが、その後、ルバーブは食べていないようです。ルバーブの葉はシュウ酸が強く、銅の鍋や食器を磨くとピカピカになります。食用には向きません。フェンネルの甘さはお好きなようで、少しですが、毎日食べられた跡があります。フェンネルは胃腸や肝機能の働きを促進する働きがあります。キアゲハの幼虫(ちなみに農場ではケムンパとあだ名が付いています)も大好きで美しい蝶になるため?にフェンネルをエサにしています。自然界の生き物は自分の体に役に立つもの害になるものの見分けは、人間より優れているのかも知れません。


枝豆と大根エゾシカの食害に遭った枝豆と大根


フェンネル(左)とケムンパ君フェンネル(左)とケムンパ君


 以前いた会社でハーブマットを恵庭のえこりん村に販売した際、とてもおもしろい経験をしました。クリーピングタイムとオレガノの2種類のハーブマットを鳥小屋の屋根の緑化に使いました。木の枝をつたって鶏が屋根に登れるような環境になっており、2種類のハーブのうち、オレガノだけがエサになっていました。

 今は亡くなられましたが、恵庭に梅村先生というハーブを農業にしようと研究されていた方がおり、私も何回かご自宅にお邪魔して話しを伺い、多くの影響を受けました。私だけではなく、ホテルの料理人さんなども影響を受けた方が数多くいらっしゃると聞いています。

 梅村先生が「黒田さん。○○のフライドチキンのハーブどりのエサにオレガノが使われていることを知っているかい?オレガノには抗酸化作用があり、免疫力を高める効果があるのだよ」とオレガノティーを入れていただきながら、ハーブのお話しをされていたことが思い出され、鶏に教えたわけではないのに、身体に役に立つ植物をちゃんと見つけるのだと改めて驚かされたことがあります。


オレガノオレガノ


 ハーブ農園では、秋の作業として来年のための土づくりが始まります。土づくりとともに、エゾシカとハーブな野菜の共生の実験もしていきます。シカは香りの強いものやゴーヤなどの苦いものは食べないようで、香りの強いハーブも嫌いなようです。プラス毒のあるハーブを野菜の回りに植え、来春に備えようと考えています。

 エゾシカの忌避を旭山動物園の名誉園長・小菅正夫さんに相談したことがありました。仙台の大学でライオンの糞を水で溶いたものを線路に蒔いたところ効果があったという情報があり、ライオンの糞を貰えないかと考え、相談しました。小菅さんは、「黒田さんエゾシカとライオンは出会ったことがないよ。エゾシカは学習能力が優れているから、継続はしないと思うよ。オオカミだったら分るけれど。それよりも自分に害のある植物を食べて救急車で運ばれるのは人間だけかも知れないね!ハーブを仕事としているのだから植物で忌避の方法を考えて見るのも面白いと思うよ」との助言をいただいたことも、私の中では大きな影響を受けています。

 先週は千葉県の農業試験所の柴田先生とマット植物研究会の方々が農場を訪れ、交流と情報交換をしました。ハーブな絨毯と北海道のハーブな野菜を生産している空間で多くの方々と出会い、共に学び、ハーブをもっともっと身近に感じていただける人が増える可能性を感じています。


我が家のペット「ミルねえちゃん」写真・ハーブな絨毯に癒されている我が家のペット「ミルねえちゃん」

 

[プロフィール]

黒田正子(くろだまさこ) 1949年、旭川生まれ。主に暮らしと共にある庭作りを、食や健康を通した指導、各地で講演。ハーブガーデンのデザインを手掛ける。また参加型のキャンドルイベント「夢灯り」を提唱。広島・長崎・小樽等のキャンドル事業の指導を行う。

◎環境に配慮した路面の滑り止めの研究
◎ハーブを密植させた省管理型緑化材料(ハーブマット。「ハーブな絨毯」の開発を行う
◎旭川市観光顕行奨励賞
◎北海道花と緑のまちづくり賞選定委員副委員長

現在、北海道グリーンコーディネーター。NPO法人「北海道地域文化を守る会」副代表。「黒田ハーブ農園※北海道」代表。

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