深海魚・アンコウの鍋料理

  アンコウ

写真・まな板に載るアンコウ

 

 日本海は秋になると肝臓が大きく肥えたアンコウが網にかかりはじめる。水深200メートル以上の深海に生息するアンコウは冬の鍋料理として、てっちり、スッポンと並ぶ三大料理とされる絶品料理だ。

 私は何とかしてアンコウを釣りたいと常々考えているのだが、たまたま今年の夏にヒラメ釣りでお世話になった島牧の漁師さんが網でアンコウを漁獲しているとの情報を得て、今回は網獲りのものを味わおうと、とある板前料理店に話して食べる会を実施した。

 到着したアンコウは約6キログラムあったが、吊るし切りではなく、普通のまな板の上で板長はさばきはじめたので、じっくりと観察させてもらった。

 皮を切ってむき、さらに腹の中の胃袋、肝臓、子袋などと取り除いていく。最後に脊椎骨とその周囲についている肉のかたまりを取り出す。それらをそれぞれ丁寧に切り分けるが、薄い膜を除去するものもあれば、湯通ししてから骨を取り除く部位もある。胃袋の表面は凸凹としていて、寄生虫がいるのを丹念に出刃で除去し、さらに熱湯に通してから細かく切って、残っている寄生虫を取り除くという細かい作業をするのだ。

 あんきもと言われる肝臓はブツ切りしてアルミ箔に包んで蒸すもの、ともあえに使うもの、鍋に入れるものとに分ける。醤油ベースの鍋に肝臓を隠し味として入れるのだ。肉部位はブツ切りし鍋用は塩をまぶして冷蔵庫に1日おいておくことで身がしまる。こうして板長は手早く30分ほどで仕込みを終えたのだった。

 翌日は20人以上も集まり、盛大な宴会となった。板長はスッポン鍋も用意するサービスぶり。常連客は高級な日本酒を持ち込んだ。飲み放題と言っては店が大変だと、持ち込んだのだ。鍋にはやはり日本酒が美味い。それにアンコウとスッポンの二大鍋料理が味わえたのだから、参加者もついつい酒が進む。皆の喜ぶ顔を見て「よし、来年は釣ったアンコウを持ち込むぞ」と私は決心したのだった。

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