たまげるほど、おしどりコイ釣り師の心意気

小川夫妻

写真・おしどりコイ釣り師として知られる小川夫妻

 

 小川博義さん・千代美さんというコイ釣り師の夫妻がいる。多い時には年間80回、少なくても年50回は出かけるというのだから驚く。コイはそうそう釣れるものではないし、「待ちと忍耐の釣り」であるから、その辛抱強さも最たるものと感心するばかりだ。

 最近は「釣れた」と携帯電話に連絡が入る。現場に行ける状況だと私は車をとばすことになるが、そうでない時は、写真を撮影し「記録」とするのが、コイ釣り師たちの常である。

 コイ釣りのタックルは、100万円以上になる。1本20万円もの竿を少なくとも3セット、竿立ても頑丈・高価であるし、夜中でも魚信を知らせるセンサー無線装置も40万円はする。さらに暗い中で離れていても連絡を取れるようにとトランシーバーも持参するそうだ。

 「札幌近郊でコイ釣りにのめりこんでいる釣りバカは10人ほどいますよ」と笑う。その人たちで毎年「釣りしん」のダービーを争っているのだ。

 「北海道ではなかなかメーター級が出ませんが、私の少年時代から大学時代までホームグランドだった多摩川ではメーター級は良く出ました」と成長の遅い雪国の特徴を話す。

 例年2月ともなるとまだ雪があり、厳寒であるのに釣り師魂がうずきはじめるそうだ。「台風後とか、天候条件が悪い時に大物が出るケースが多い」と言うのだ。

 研究心にも凄さがある。餌も生きているタニシから、生のトウモロコシ、羊羹、食パン、芋、生サンマ、ミミズなどといろいろ試してきた。タニシは飼育していたこともある。最近は芋や羊羹にフレーバーも付けて、コイをおびき寄せる工夫もしている。

 釣ったコイは全てリリースする。釣るまでを楽しむだけなのだ。

 年2回開催されるインターネットでのコイ釣り大会にも参加する。男性で100人以上、女性で25人ほどが参加しているが、千代美さんはこれまでに2位になったことがある。

 自家用車の中でひたすら待つ。16時間待ちはざらだ。「ただ寝て待つのみです」と博義さん。それでも充実感があるという、おしどりコイ釣り師夫妻なのだ。

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