第2部 金正日の女性遍歴の真相に迫る
第3章 「子供に恵まれなかった」と嘆いた独裁者
[第67回] 李韓永暗殺は金正男の父親に対する忠誠心の発露だった
1978年1月14日、香港に滞在していた崔銀姫は香港在住の韓国人女性の李像姫に騙され、モーターボートで拉致された。沖合いで大型の貨物船に乗り換えて、8日目に北朝鮮の南浦港に到着した。香港から崔銀姫とともに同行したのは、党調査部の任浩君副部長と金周永副部長だった。1月22日午後3時、モーターボートで埠頭に上陸すると、金正日が現れ、「ようこそ、よくいらっしゃいました。崔先生、私が金正日です」と挨拶した(上掲写真)。下の写真は、崔銀姫(中央)を迎えに現われた党調査部の李完基〔李昌善〕部長(右)と姜海龍副部長(左)。3人の背後で、金正日(右)は任浩君副部長(左)から報告を聞いている。崔銀姫は「わたしは両脇の2人の男性の間にはさまって、約10分ほど海岸道路を歩いた。とても寒い日だった」と手記に書いている。崔銀姫の拉致工作を指揮した李昌善は、金日成・金正日・金正男の3代に仕えた対南工作の専門家である

