第3部 独裁者・金正日権力の源泉
第1章 党の謀略機関を掌握し拉致工作を定式化
[第41回] 朝鮮戦争直後の拉致の疑いが濃厚な「特定失踪者」
朝鮮戦争の激戦地となった鉄原(江原道鉄原郡)は38度線の北側にあり、開戦までは北朝鮮が支配していた。朝鮮戦争で休戦交渉が始まると、交渉に有利な立場を確保するため、鉄原、金化、平康を結ぶ「鉄の三角地帯」と呼ばれる地域で寸土を争う一進一退の戦闘が展開された。休戦協定で軍事境界線は鉄原の北部に引かれたため、現在は「安保観光」として鉄原を訪れることができる。上の写真は、北朝鮮が支配していた1946年、ソ連式工法の無鉄筋コンクリートで建設された旧労働党庁舎の廃墟である。かつてはソウルから元山に向かう鉄道(京元線)が鉄原を通っていたが、現在は分断され、韓国の最北端駅となった月井里駅には戦争当時に破壊された列車が保存されている(下の写真。いずれも著者撮影)


