第3部 独裁者・金正日権力の源泉
第1章 党の謀略機関を掌握し拉致工作を定式化
[第102回] 日本人化教育の教官獲得のため拉致を定式化させた金正日
金正日の特別指示により1985年2月11日に開館した「以南化環境館」は、平壌・龍城区域の金正日政治軍事大学構内の山中の地下にある(位置関係については第88回の衛星写真参照のこと)。グーグルアースの衛星写真で調べてみると、「南朝鮮革命博物館」の東寄り(写真の)に、以南化環境館の入口(北緯39度9分53.31秒、東経125度47分28.66秒)があった。以南化環境館について、元北朝鮮工作員(戦闘員)の安明進氏は手記のなかで、次のように書いている。「韓国の実情を教え込む教育会館〔以南化環境館〕は龍城区域新美里10号棟という場所にあったのだが、それはまさに巨大な一つの韓国社会だった。この教育会館は、またの名を「環境会館」とも言われていた。龍城区域の山の地下に10キロ以上もトンネルを掘って、そこに作られた巨大なセット<略>。そこは本当に華やかな宮殿のようだった。<略>その教育会館は長さ10キロ以上、幅30~40メートル、高さ4メートルにもなる巨大な洞窟で、中には韓国の街並みがそのまま再現されていたのである。<略>韓国にあるものはほとんどそろっており、韓国社会そのものと言ってもよかった。警察署から小学校、中学校はもちろん銀行、スーパー、高級ホテル、ひいては退廃的な歓楽街までそのまま再現されていた。そこで学生の韓国人化教育に携わっている人々は、私が接してきた限りでも80名以上はいたと思うが、彼らはほとんどが韓国人化教育のために拉致されてきた韓国の人々だった」(『北朝鮮拉致工作員』43~45頁)


