高橋はるみ知事が4月で、2期目の折り返し地点を迎えた。2年前の前回知事選は、歴代保守系候補で最多となる173万票の大量得票で再選。道議会も道政与党の自民、公明両党が過半数を押さえ、本来ならば高橋道政の絶頂期を迎えているはずだった。
ところが現実は、思うように実績を挙げられず、庁内外の求心力も低下する一方。自民党や経済界など支持母体との関係も次第に冷え込み、三選出馬の布石を打つどころか、当面の道政運営さえ多難な状況だ。
財政再建や支庁制度などの改革を2期目の前半で断行し、後半2年間は選挙戦を見据えた人気取り政策で勢いをつける――。高橋知事は再選直後から、こんな展望を思い描いていたようだ。支庁再編条例を完全な骨抜きにしてまで、3月の道議会で強引に決着させたのは、このためだとも言われる。
しかし、スケジュールさえ狂わなければ良いというものではなかろう。この2年間、高橋道政が繰り出すのは、ほころびを絆創膏で隠したような政策ばかりだった。
道が2月にまとめた財政再建計画は、その代表例だ。道の昨年時点の計画では、道債残高を2014年度までに現在より6,000億円少ない5兆円まで圧縮することになっていた。にもかかわらず、わずか1年でこの計画は頓挫。今年2月の道債残高中期見通しでは、14年度で約5兆6,400億円と、逆に1,400億円も増えてしまった。
主な原因は景気悪化による税収減、国の景気対策に合わせた公共事業の増加で、同情の余地はある。それでも、明らかに税収見通しを誤ったことには違いなく、そもそも道債残高を単純に減らす目標を立てたこと自体に無理があった。結局は、公共事業の増額を求める"土建屋系"道議に押し切られ、財政再建路線はたった1年で転換を余儀なくされた。
もっとも高橋知事の神経も案外図太かった。しおらしく陳謝するのかと思いきや、記者会見では逆に「道債削減計画を堅持する」と強弁したのだ。財政を一夜で好転させるウルトラCがあるわけではない。削減対象の定義を後付けでつくり、緊急経済対策に伴う発行増加分を計画の「別枠」として発表し、表向きの道債削減を取り繕っただけだ。「玄人には苦しい言い訳にしか聞こえない。いっそのこと計画自体を撤回して、作り直せば良かったのに...」。そんな愚痴は、庁内からも聞こえてくる。
以下、後編に続く。(文・松本)


