捕獲は年2000頭 それでも道内各地で繁殖、農作物を食い荒らすアライグマ 後編

駆除数を上回る繁殖力。

1個4,000円程度で比較的安価な「エッグトラップ」

1個4,000円程度で比較的安価な「エッグトラップ」

(写真提供:北海道)

 

 アライグマの駆除を急務とした道は、02年度に「北海道アライグマ対策基本方針」を策定した。04年度の「アライグマ対策行動計画」では、札幌、北広島など8市9町1村を相当数分布するエリアとして「緊急捕獲地域」に定めた。年間捕獲数を2,000頭として、幼獣が親離れをする前の6月までに1,000頭を捕獲する目標を掲げ、11年度までに域内の野外排除を目指した。

 道内でのアライグマの捕獲は96年度から始まった。初年度に9頭だった捕獲数は、02年度に1,000頭を突破、07年度は2,306頭まで増えている。

 捕獲方法は誘引餌を用いた箱ワナのほか、新たに開発されたアライグマ専用の「エッグトラップ」で前肢を捕らえる2種。「エッグトラップ」の利点は混獲の防止や箱ワナを警戒する個体の捕獲、購入・運搬費などの軽減。道と市町村の情報提供や捕獲に関する研修などが功を奏し、1頭当たりの捕獲経費は抑制傾向にある。道は00年度から年間2,000万円程度の予算を計上、各市町村とは別に約400頭を捕獲している。

 捕獲したアライグマは獣医師などが薬殺するほか、苦痛を軽減できる二酸化炭素ガスによる殺処分となる。

 このように毎年相当数が捕獲されているにもかかわらず、繁殖力の高いアライグマは急速に生息地を拡大、個体数も急増した。そのため、外来生物法に基づき06年4月に策定した「北海道アライグマ・アメリカミンク防除実施計画」では、緊急捕獲地域での11年度を期限とした排除計画を見直した。

 道自然環境課は、「アライグマは捕獲するほど各市町村の予算は増加する。市町村の取り組みを支援をするため、より効果的な捕獲方法を模索している」と話す。

 一時のブームに乗せられた挙句、飼い主から飼育を放棄されたアライグマ。農業被害や生態系を破壊する害獣として駆除される悲惨な末路に導いたのは、無責任な飼い主にほかならない。(文・久保)

 

 

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