道内マンション販売最大手「宮川建設」の倒産に象徴されるとおり、マンション業界を取り巻く環境はかつてないほどまでに冷え込んでいる。
2006年から続く道内のマンション不況は、すでに4年目。06年は耐震偽装問題や用地の値上がり、07年は新規物件の価格上昇、昨年は急激な市況の悪化が業界を直撃した。今年の市況は最悪だった08年からさらに落ち込むことも懸念されている。
住宅流通研究所(札幌)の調査によると、08年の札幌市内におけるマンション新規発売戸数は、前年比35.5%減の2,293戸。平成で最も少なかった02年(3,306戸)を大きく下回り、初めて2,000戸台に落ち込んだ。ピークだった94年(1万1,400戸)の2割にすぎない。
08年は成約戸数も同15.1%減の2,525戸に低迷。07年以前の繰り越し物件が多数販売され、成約戸数は4年ぶりに発売戸数を上回った。
昨年3月は276戸、4月は162戸だった新規発売戸数は、今年3月に85戸、4月に73戸と極端に落ち込んだ。5月は236戸に回復したものの、1月からの累計はわずかに733戸。前述したように平成最少だった08年の同期(1月~5月は1,124件)にも及ばない。
住宅流通研究所の入谷省悟所長は「売れ残り物件が市場の大半を占め、値引きは平均600万円に達している。新規物件と売れ残り物件の価格差が大きく、高値の新規物件が出せない状況にあった」と説明する。
過去最大級とされる最大600万円(長期優良住宅の場合)の住宅ローン減税がスタート。それでも、「5,000万円の物件だと恩恵はあるが、札幌で販売されているマンションの平均価格は2,200万円。住宅ローン減税の効果はいまのところ見られない」(入谷氏)というのが実状だ。
道内の業界関係者は「市内には07年の販売にもかかわらず、1棟の4分の1を占める30戸が売れ残っているケースもある。在庫処分のためには大幅値引きをするほかないが、そうした物件は数多く、簡単には売れない」と明かす。
5月のマンション成約率は、前月比0.1ポイント減の12.9%(繰り越し物件11.0%、新規物件23.7%)。5月末の市内の在庫は1,375戸。このうち完成在庫が71.8%(987戸)を占めており、在庫を処分するための値引き商戦が収まる気配は見られない。(文・東)

