札幌市西区の「レンガの館」(八軒1条西1丁目)をスタジオにコミュニティーFM「三角山放送局」を運営する「らむれす」(木原くみこ会長)が、同館を所有する「ザ・タワーシティ団地管理組合」を相手取り、妨害行為の禁止を求めていた抗告で、札幌高裁は3日、札幌地裁の原決定を取り消し、管理組合の妨害行為を禁止する保全処分を下した。
「レンガの館」は1929年に缶詰工場として造られ、市の都市景観重要建築物の第一号に指定された建物。2003年から始まったJR琴似駅北口再開発事業で建設された40階建て高層マンション「ザ・サッポロタワー琴似」の共用部分として保存された。06年3月からは「らむれす」が、JR琴似駅北口市街地再開発組合に管理を委託され、「三角山放送局」のサテライトスタジオとなった。
ところが07年9月、管理組合が「(レンガの館を)集会所として利用できない」とマンション売主に苦情を寄せた。
らむれすは「集会所として使用を妨害したことはなく、管理を委託されている」と主張。
一方、管理組合は昨年3月に「レンガの館」の明け渡しを要求、「らむれす」が応じなかったため、昨年3月末に「レンガの館」正面玄関を施錠した。
以後、同放送局のスタッフは裏口から出入りして業務を続けてきたが、「公開的用途」とされているホール部分は使えなくなった。こうした経緯から「らむれす」は昨年4月8日、正面玄関の開錠を求め、札幌地裁に占有使用妨害禁止の仮処分命令を申し立てた。
札幌地裁は昨年7月23日「(らむれすが)使用借権を有するのはスタジオ部分に限られ、レンガ館に建物全体についての占有使用妨害禁止を求めることはできない」として申し立てを却下。「らむれす」は決定を不服として、札幌高裁に抗告していた。
札幌高裁の決定によると、委託の経緯などから「らむれす」にはサテライトスタジオ以外のホール部分にも占有権があること、「レンガの館」が歴史的建造物として「公開的用途」を満たさなければならないこと、管理組合が「レンガの館」を所有者だけが利用できるという誤った認識にあったことなどを列挙し、管理組合に対して正面玄関を施錠するなどの妨害行為を禁止した。(文・糸田)
トラブルで施錠された西区「レンガの館」 1年3カ月ぶりに正面玄関が開扉
http://www.hokkaido-365.com/feature/2009/07/post-308.html


