札幌市内の分譲マンション市況は、かつてないほど冷え込んでいる。住宅流通研究所(札幌)の調査によると、今年上期(1月~6月)の新規発売戸数は前年同期比29.3%減の926戸。成約戸数は同11.0%減の1224戸。ともに平成で最悪の水準だ。
マンション不況は今年がすでに4年目。
平成18年は耐震偽装問題や高さ制限の導入、用地価格の上昇などを要因に、発売・成約戸数とも激減した。19年は新規物件の高値感から買い控えムードが広がり、成約戸数は4年以来となる2000戸台にまで落ち込んだ。昨年は急激な景気の悪化により、発売・成約戸数とも平成で最低だった。今年は最悪だった昨年をさらに下回る水準が続いている。
住宅流通研究所の入谷省悟所長は、今年上期の市況について次のように説明する。
「上期の新規発売は1000戸割れとなり、札幌に分譲マンションが建ち始めた昭和50年頃の水準まで落ち込んでいる。新規発売が少なかっただけに、在庫物件は今年に入って約300戸が消化された。しかし、成約は昨年以前の繰り越し物件が多く、ここ3カ月の在庫は1300戸台が続いており、処分は進んでない。在庫物件は500~600万円の大幅値引きをしているものの、宮川建設の倒産に象徴されるように値引きしてもなかなか売れないのが実情だ。今年は住宅ローン減税が目玉になるはずだったが、2600万円前後の物件が主流となる札幌ではあまり導入効果がみられない」
6月の総出回り戸数は、新規発売193戸と前月からの繰り越し1375戸の計1568戸で成約は211戸。成約率は前月比0.6ポイント増の13.5%(繰り越し物件8.8%、新規物件46.6%)。新規物件の成約率は前月の23.7%から大幅に回復した。
それでも入谷氏は「手頃な価格の新規物件が売れただけで、相変わらず繰り越し物件の動きは鈍い。景気が回復の兆しを見せない限り、現状は変わらない」と分析する。
6月末の在庫1357戸のうち915戸は完成在庫。内訳は17~18年の物件が57戸、19年148個、20年620戸、21年532戸。昨年以前の在庫が全体の57.5%を占めていることからも明らかなように、在庫物件の消化が各社の重荷となっている。(文・糸田)


