経済的な理由で授業料を払えず、進級・卒業できない私立高校生を支援する目的で、道内の私立高校教諭らが先月、独自の奨学金制度づくりを目指して社団法人「北海道道私学生徒支援事業団」を設立した。
同事業団が計画する「進学・卒業支援奨学金」は、生徒の滞納額に応じて最大30万円を無利子で貸与、就職3年目から10年間で返済してもらうという内容。奨学金の給付は年内にもスタートする予定だ。
道内には53の私立高校があり、生徒数は高校生全体の約2割を占める約3万人。道の調査によると、私立高校で授業料を滞納(3カ月以上)した生徒は、2005年度に全体の2.6%(899人)、06年度3.2%(1059人)、07年度4.2%(1343人)、昨年度4.3%(1362人)と年々増加している。昨年度に経済的理由で退学した生徒は、全退学者(656人)の約8%に当たる53人だった。
道内私立高校の入学金は21万7293円(昨年度平均)、授業料は年額36万5160円(同)。入学初年度の学費は、道立高校(入学金5650円、授業料年額11万8800円)と比べ約5倍の開きがある。
道内の私立高校は、有名大学の合格者を多数輩出する進学校と、公立高校に進学できなかった生徒の受け皿となる底辺校の二極化が進んでいる。
底辺校では、家計の逼迫から「修学旅行に行けない」「弁当を持って来れない」など深刻なケースも生じている。進学の断念や学費捻出のアルバイトによる疲労から不登校となったり、中途退学する生徒もいる。
北星学園女子中高等学校教諭で同事業団の清宮敬文事務局長は、「退学は進路変更や家庭の事情、一身上の都合として受理されるケースもあり、授業料が払えずに退学する生徒は道の調査よりも多いのが実情だ。この不況の中で我々が何もしなければ、中途退学者は増え続ける。奨学金制度で授業料を払えずに退学を余儀なくされる生徒を一人でも助けたい。寄付が集まり、奨学金制度がスタートすれば、リストラや病気などで家計が急変した生徒も退学することが避けられる」と説明する。
同事業団は、5年間で1億円の寄付を目指し、高校生や卒業生などの協力を得て街頭募金などで支援を呼びかけている。これまでに集まった寄付は約70万円。寄付の振込先は「北海道私学生徒支援事業団」(郵便振替口座02720ー2ー45780)。問い合わせは同事業団事務局(電話011ー261ー3820)まで。(文・糸田)

