道内12選挙区「当落予想」最終版 民主「完全勝利」の勢い

ビッグ3の町村、中川、武部も劣勢。

 

衆院選小選挙区候補者

写真・上段左から長谷川岳、横路孝弘、吉川貴盛、三井辨雄、石崎岳、荒井聰。
2段目左から宮本融、鉢呂吉雄、町村信孝、小林千代美、今津寛、佐々木隆博。
3段目左から伊東良孝、仲野博子、福島啓史郎、逢坂誠二、川畑悟、鳩山由紀夫。
下段左から飯島夕雁、小平忠正、中川昭一、石川知裕、武部勤、松木謙公(敬称略)

 

 自民か、民主かーー。当初は「政権選択」選挙と目された今回の衆院選。ところが、いざ12日間の戦いが始まってみると、世論が民主党に大きくシフトする"政界地殻変動"の様相。

 首相だった小泉純一郎が「郵政解散」と銘打った前回選挙。結果は周知のように自民が圧勝、民主は大幅に議席を減らした。しかし、民主の金城湯池である道内12選挙区では、自民が4勝8敗で惨敗。

 今回は世論に後押しされた民主党が圧倒的な勢い。

 自民の劣勢を象徴する端的な出来事は、党幹事長・細田博之が恵庭市で町村信孝の応援演説の際に発した一言。「町村さんにとって、人生最大の危機」。道内自民党候補者の中では善戦する町村だが、民主・小林千代美の後塵を拝しており、かつてない窮地に直面している。

 このように道内各選挙区では、いずれも民主党候補者が優位な戦いをしており、各種世論調査やBNNの独自取材では、12選挙区での「完全勝利」が現実味を帯びている。

 以下、各選挙区の最終的な当落予想。

 [北海道1区](札幌市中央・南・西区)

 長谷川岳 38 自新 元IT会社役員
○横路孝弘 68 民前 元衆院副議長
 松井秀明 40 共新 元中学校教諭
 高元和枝 59 諸新(幸福実現党) 会社員

 圧倒的なネームバリューと厚い支持基盤を誇る民主・横路孝弘が優位な戦い。これまではあまり足を運んでいなかった夏祭りなどにも顔を出し、民主はもとより、選挙協力を結ぶ新党大地のほか、社民支持層からも支持を得ている。

 対する自民新人・長谷川岳は、党公認争いで前衆院議員・杉村太蔵を退け保守分裂を回避した。選挙区内で3万を超える票を有するとされる公明からの推薦も得て、同党支持者の支援を固めている。昨年から10万件に迫る戸別訪問をこなし、「政権交代」ならぬ「世代交代」を訴え、自民支持層以外からの票の掘り起こしも図っているが、先行する横路を捉えるまでには至っていない。

 [北海道2区](札幌市北・東区)

 吉川貴盛 58 自前 経済産業副大臣
○三井辨雄 66 民前 医療法人理事長
 岡千陽  46 共新 元札幌市議
 本田由美 31 社新 〈元〉団体職員
 山本志美 42 諸新 幸福の科学札幌北支部長

 道内小選挙区最多の5人が争う激戦区。過去2回の選挙で連勝した民主・三井辨雄が労働組合の支持基盤のほか、保守層にも浸透しており3連勝の公算が大きい。前回、候補擁立を見送った社民が新人・本田由美を擁立したことはマイナス要素だが、新党大地との連携を強め、票の上積みを狙う。前回の衆院選で三井に約2300票差まで詰め寄り、比例復活を果たした自民・吉川貴盛は逆風の中、苦戦を強いられている。

 [北海道3区](札幌市白石・豊平・清田区)

 石崎岳  54 自前 総務副大臣
○荒井聰  63 民元 元党役員室長
 森山佳則 42 諸新 幸福の科学札幌中央支部長

 民主・荒井聰と自民・石崎岳が5回目の対決。これまでは2勝2敗の五分。前回は石崎が「郵政解散」の追い風に乗って当選したが、今回はアゲンスト。荒井は一昨年の知事選で自民推薦の高橋はるみに敗れたが、その後は地下鉄駅などでの街頭演説を続け、支持層の拡大を図ってきた。無党派層や共産支持層にも浸透する荒井がリード。

 [北海道4区](札幌市手稲区・後志管内)

  宮本融 44 自新 元通産省職員
◎鉢呂吉雄 61 民前 元党選対委員長
  鶴見俊蔵 55 諸新 幸福の科学札幌西支部長

 党北海道代表を務める民主・鉢呂吉雄が盤石の戦い。自民支持層だった一次産業関係者にも食い込んでいる。昨夏に立起を表明した自民新人・宮本融は、旧通産省の先輩で知事の高橋はるみらの応援を得て精力的に選挙区を回っているが、鉢呂の7選は揺るぎない。

 [北海道5区](札幌市厚別区・石狩管内)

  町村信孝 64 自前 元官房長官
△小林千代美 40 民元 元日糧パン社員
  畑野泰紀 42 諸新 幸福の科学新札幌支部長

 逆風の自民と追い風を受ける民主の党勢を象徴する選挙区。9選を目指す自民・町村信孝の当落が最大の焦点。

 前回、5万票差で町村に大敗を喫した小林千代美は、昨年7月に町村の"地盤"である石狩管内新篠津村にも後援会を発足させ、保守層の取り込みにも取り組んできた。選挙区内では大田票の厚別区や江別市で優位な戦いを進めている。片や町村は、なりふり構わぬドブ板で巻き返しを図っているが、小選挙区3連敗の小林に後れをとっている。

 [北海道6区](上川管内)

 今津寛 62 自前 元防衛庁副長官
○佐々木隆博 60 民前 元道議
 荻生和敏 59 共新 党旭川地区委員長
 武田慎一 42 諸新 幸福の科学旭川南支部長

 毎回大激戦の6区は有権者の7割弱を占める旭川市の得票がカギを握る。道議5期を経て前回初挑戦で初陣を飾った民主・佐々木隆博が優勢。一方、党道連会長を務める自民・今津寛は、知名度でこそ佐々木を上回るものの、逆風を受け苦戦を強いられている。

 [北海道7区](釧路、根室管内)

 伊東良孝 60 自新 元釧路市長
△仲野博子 50 民前 元根室市議
 金成幸子 50 諸新(幸福実現党) 主婦

 各選挙区で民主党候補が優位な戦いをする中、3選を目指す民主・仲野博子は自民新人・伊東良孝と激戦を繰り広げている。

 前回、新党大地代表・鈴木宗男の支援を受けた仲野は、釧路市で自民・北村直人を上回る票を獲得して7区を制した。今回は新党大地の票に加え、候補擁立を見送った共産の反自民票の取り込みを目指し、与党批判を展開。伊東は7区有権者の半数以上を占める釧路市を地盤に市議、道議を経て市長を務めただけに知名度抜群。強固な後援会組織を有し、一次産業従事者にも浸透を図っているが、仲野にリードを許している。

 [北海道8区](渡島、檜山管内)

  福島啓史郎 63 自新 元参院議員
◎逢坂誠二 50 民前 元ニセコ町長
  佐藤健治 52 無新 救う会道南代表
  西野晃 32 諸新 幸福の科学函館支部長

 前回、比例道ブロックで初当選した民主・逢坂誠二が、金田誠一の後継として初めて小選挙区で立起、2選を目指す。選挙区内の各地域に後援会を立ち上げ、労組を中心に票固めをしている。自民は山口県出身の農水官僚で元参院議員の福島啓史郎を擁立。過去2回、自民の公認を受けた佐藤健治が無所属で立起。保守分裂の中、逢坂が圧倒している。

 [北海道9区](胆振、日高管内)

  川畑悟 38 自新 元任天堂社員
◎鳩山由紀夫 62 民前 党代表
  佐藤昭子 66 共新 元歯科医院職員
  里村英一 49 諸新 幸福の科学出版月刊「ザ・リバティ」編集長

 民主代表・鳩山由紀夫の8選が確実。自身は全国遊説のため地元入りしていないが、「北海道初の総理大臣」誕生は秒読み。自民新人・川畑悟は、自民支持層以外に浸透していない。

 [北海道10区](空知、留萌管内)

 飯島夕雁 45 自前 元東京都青ヶ島村教育長
○小平忠正 67 民前 党代議士会長
 大林誠 36 諸新 幸福の科学職員

 7選を目指す民主・小平忠正が、農民協議会などの強固な農業票を基盤に安定した戦い。新党大地との選挙協力も票の上積み材料。自民・飯島夕雁は、前回、郵政民営化に反対して自民の公認を得られなかった山下貴史(現・深川市長)の刺客として立起した。今回はその"後遺症"となる保守分断と自民の逆風で苦戦。

 [北海道11区](十勝管内)

 中川昭一 56 自前 元財務・金融相
○石川知裕 36 民前 元衆院議員秘書
 渡辺紫 60 共新 元紋別市議

 自民の中川昭一は、2月の「もうろう会見」で支持者の離反を招いた。閣僚辞任後、地元に張り付いき「おわび行脚」で支持者の引き戻しに奔走するが、父・一郎から引き継いだ"中川王国"の地盤が揺らいでいる。前回、2万票差で中川に敗れた民主・石川知裕は、敵失を尻目に各層からの支持を拡げ、「大金星」を挙げる勢い。

 [北海道12区](宗谷、網走管内)

 武部勤 68 自前 元党幹事長
○松木謙公 50 民前 元衆院議員秘書
 笠松長麿 56 諸新 幸福の科学北海道正心館講師

 町村、中川と並ぶ自民ベテラン代議士の中で最も劣勢にあるのが、元幹事長の武部勤。小泉の「偉大なるイエスマン」を自任し、05年の郵政選挙を取り仕切って自民大勝利の立役者となったが、今回は地方を疲弊させた「戦犯」扱い。「オホーツク武部党」を自称し、自民色を薄めて巻き返しを図るが、強烈な逆風に晒されている。

 過去2回の衆院選で武部に敗れ、いずれも比例で復活当選を果たした民主・松木謙公は、昨年から選挙区内をくまなく回り、後援会組織を拡大。民主と選挙協力する新党大地も、比例ブロックに擁立した党代表代行・八代英太を再三、選挙区に送り込むなど「武部落とし」に躍起。「三度目の正直」で、松木が小選挙区初勝利を飾る公算が大きい。(文中敬称略 年齢は投票日時点 文・取材班)

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