犬や猫を家族同然に扱い、コンパニオンアニマルとして「癒し」を求める人が増える一方で、飼育放棄される犬猫が後を絶たない。道内でも年間約8000頭が殺処分にされている。
そんな中、収容犬の世話や野良猫問題を考えるイベントを通じ、命の大切さを訴える市民ボランティアがいる。人間と動物がどう共生するかー小樽と札幌の取り組みを紹介する。
小樽市犬管理所(長橋1)。収容されていたハスキーやビーグルの雑種犬5頭が、尻尾を振って「小樽市犬管理所 ドッグエンジェルHIKARU」(成田広美代表、会員23人)の会員たちを出迎えた。
6人が手分けして犬舎を掃除。餌を与え、散歩もさせる。「7歳から14歳の老犬です。ろくに面倒を見てもらえなかったことが一目で分かる犬もいる。ここで暮らす方が幸せかもしれません」と会員の山根元子さんがつぶやいた。
小樽市保健所の規定では迷い犬や飼い主が持ち込んだ犬は10日間保護した後、殺処分される。放棄理由は飼い主の体調不良、犬の病気・老衰、引越し、経済的困難によるものが多い。「人をかんだ」と飼い主がしつけを怠ったせいで捨てられる犬もいる。高齢犬が多のも特徴だ。
犬たちに生きるチャンスを与えるため、保健所は2005年からホームページで迷い犬や収容犬の情報を随時公開しているが、譲渡先の見つからない犬は保護期間を過ぎると処分される。
死を待つ犬の姿は人間の身勝手さの象徴ともいえる。
「保護期間が終わっても犬を殺さないでほしい」。活動は2年前の5月、成田代表が保健所に協力する形で収容犬の世話を始めたことがきっかけ。活動に賛同する市民が増え、昨年5月には「収容犬の殺処分ゼロ」を目指すボランティア団体として発足した。
会員たちは週3回、管理所に通い犬の世話をする。高齢犬が多いため、せっかく譲渡先が見つかっても再び戻ってくるケースもある。保護期間が長くなると餌代、治療費などがかさむが、会員や市民、獣医師らの寄付でまかなってきた。それまでの活動が評価され今年2月、市社会福祉協議会から啓蒙活動費として20万円の助成金が下りた。
保健所によると、数年前まで市内では年間約80頭が保護され、そのうち半数以上が殺処分にされていた。しかし、団体の地道な活動が実を結び、昨年度は保護された79頭のうち、殺処分は病気の犬など2割にとどまった。15頭が元の飼い主に返却され、40頭には新しい飼い主が見つかった。
成田代表は「犬の死因の一位は病気ではなく殺処分です。飼った以上は命に責任を持たなければなりません。活動を通して飼い主の意識やマナー向上の啓発に努め、子供たちに命の大切さを知ってもらいたい」と語る。
21日には動物愛護週間にちなんだ「ペットの飼い主探し」(保健所主催)が同管理所で午前10時~午前11時半まで開かれる。問い合わせは同管理所(電話0134-23-2370)まで。(文、写真・武智)
以下、後編に続く。
写真・新しい飼い主を待って小樽市犬管理所で暮らす犬


