全日本空輸(ANA)の子会社・エアーニッポンネットワーク(A-net)の丘珠空港撤退問題について、道、札幌市、ANAなどが話し合う「丘珠空港発着路線に係わる協議会」(第4回)が、15日午後2時から開かれた。
ANAは今年3月、不況の影響を受けて収支改善が必要なことや、丘珠路線で運用しているプロペラ機「ボンバルディアQ300」が製造中止となり後継機が見つからないこと、丘珠空港は冬季の悪天候で欠航が多いことなどを理由に、A-netの丘珠空港発着5路線を廃止し、新千歳空港へ移転する意向を伝えた。
これに強く反発した札幌市は、道や就航先の市町などと連携して6月、同協議会を設置した。これまで3回の協議会を開き、ANAに新千歳への集約化についての説明を求めるとともに独自の空港利用促進策などを提案、丘珠路線の維持を訴えてきた。
ところが、ANAはこれまでの協議会で、「丘珠路線は収支というよりも、機材、滑走路の問題が大きなファクター」として、「製造中止となり、整備費用がうなぎ上りになっていく負の遺産は残せない」、「利用者に不便をかけるが、製造中止となった以上はいつかは(撤退を)決めなければならないことで、先々を考えると今しかない」と一貫して移転する意思を主張した。
さらに、前回(9月7日)の協議会ではANAの岡田晃上席執行役員が「次回をもって区切りとしたい」と協議の打ち切りを示唆した。
15日の会合では、ANAが新千歳空港への移転後のダイヤ、運賃設定について説明した。
ANAは、新千歳空港への移転後も、現在の地方空港発着(釧路、函館、女満別、根室中標津、稚内)の5路線(14便)は維持することを明らかにした。ダイヤは早朝便の時間をほぼ現行通りとし、最終便はビジネス需要も考慮して現行よりも2~3時間程度遅らせる。機種はQ300よりも18席多いQ400に変更し、多客期や釧路線の一部ではジェット機の運用も検討している。また、新千歳空港を起点とする道内外への乗り継ぎには割り引き運賃を設定。金額は直行便の往復運賃並みの水準となる予定だ。
ANAは、丘珠路線を新千歳空港に集約することで座席数は約30%増加。冬季就航率や本州からの乗継の利便性も向上し、道外からの観光客やビジネス客の増加が見込めるとしている。
これに対し、札幌市は「移転によってかなりの需要を堀り起こさなければならず、機材変更で燃料費なども増大する。移転後に地方便が廃止、減便となる可能性もある。これまでの利用者をないがしろにしないでほしい」と指摘。道は、「丘珠路線の利用促進策を試し、その経過を見てから、新千歳への集約を判断してはどうか」と提案した。
岡田氏は「後継機の問題が解決しないままで、利用促進策の経過を見るという判断は難しい。新千歳への移転は当初、今年11月からと考えていたが、こうして協議の場を持てたことで、道民の皆様にとって何が1番かを考え、当初の案とは大きく変わった。ベストではないがベターな案になっていると思う。理解いただきたい」と述べた。
結局、この日の協議会も札幌市とANAとの議論は平行線のまま閉会した。次回については事務局(道総合政策部)預りとなったが、これ以上、新たな議題もなく、議論が尽きた感は否めない。
岡田氏は19日に開かれる札幌市議会の北海道新幹線・丘珠空港調査特別委員会に参考人として出席する予定。協議会終了後、記者団に「市議会の参考人招致を経て、10月末~11月中旬には、丘珠から新千歳へ移転するか、しないか、するならばいつ移転するかを決めたい」と語った。(文、写真・糸田)
協議は"怒りの応酬" 丘珠空港撤退問題で札幌市とANAが丁々発止
http://www.hokkaido-365.com/feature/2009/09/post-334.html


