今年18件、厚別区の市営住宅で相次ぐ放火

駐輪場のバイクや自転車などが焼損。

 

炎感知器

写真・もみじ台南3丁目の市営住宅駐
車場前の街路樹に設置された炎感知器

 

 「男か女か、同一人物の犯行かも含め、すべてが不明。これから雪が降って足跡でも残ればいいんだが...」札幌市厚別消防署の西本良一防火推進係長はそう嘆息する。

 今年1月以降、厚別区のもみじ台、青葉町の両地区では10月7日までに計21件の放火が発生した。このうち18件(別表参照)は市営住宅のエレベーターや階段、駐輪場などで発生。今月3日には青葉町の市営住宅ベランダに火を付けたティッシュペーパーが投げ込まれた。残る3件は公園内で起こり、電話帳などが燃えた。

 放火は自然鎮火したものと消防車が出動して消火したケースがあり、幸い21件すべてが延焼せず、けが人も発生しなかった。

 しかし、火源が明らかになったのは青葉町の市営住宅階段に燃え残ったマッチ棒だけで、手掛かりは今のところない。

 放火はすべて市営住宅の居住者や新聞配達の人からの119番通報によって知らされたもので、消防署は正確な出火時刻を把握していないが深夜の時間帯が多いという。

 今月上旬、もみじ台東1丁目の市営住宅駐輪場で燃えた「広報さっぽろ」と新聞紙が発見された。この市営住宅に住む70歳代の女性は「放火時にライターを付けるカチカチという音を聞いた住民もいるが、詳細は不明。とにかく気味が悪いので、早めに集合玄関の電灯を付けるようにしている」と話す。

 今月7日午後7時30分頃には、もみじ台東1丁目の別の市営住宅駐輪場に置いていたスクーターが放火された。同じ棟に住む居住6年目の80歳の男性は「外が騒がしいので午後8時頃に出てみると消防車が2台来て消火していた。スクーターはシートと後部のバンパーが少し焦げた程度。その両脇に停めてある自転車には燃え移らなかった。持ち主は60歳代の男性でスクーターを修理して今も乗っている。当日、警察官にも不審者を見なかったかと聞かれたが、この辺は市営住宅の住民しか歩かないと答えた」と説明する。

 消防局は予防のため、今月19、20の両日、もみじ台の市営住宅駐車場前の街路樹に6カ所、青葉町の市営住宅階段4カ所に炎感知器を設置した。

 続いて23日にはもみじ台、青葉町両地区の自治会役員を集め、放火防止対策会議を開き、概要の説明や放火防止対策を協議した。現在、両地区では地域住民が巡回パトロールを行っている。

 西本氏は「何者かが何らかの火源を用いて火を放っている以上は、放火と考えている。22件目の放火が発生しないとは限らないが、さまざまな対策を講じて防ぎたい」と語る。(文、写真・東)

 

スクーター

写真・もみじ台東1丁目の市営住宅で放火された駐輪場のスクーター

 

厚別区放火事案

表・厚別区放火事案(札幌市消防局調査)

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