ゴン中山を獲得、「最後の札」を切ったコンサドーレは生き残れるのか?

プロ意識、闘争心、球団経営・・・課題山積で問われるチームの存在意義。

 

中山雅史

写真・12月24日に開かれた中山雅史の入団会
見。左は三上大勝強化部長、右は矢萩竹美社長

 

 10月21日付北海道新聞朝刊に「現代かわら版 言わせて!J1昇格 夢と消え・・・コンサ復活へ喝!!」と題する特集が掲載された。サポーターの思いが垣間見える貴重な意見だ。
 
 「いつも感じていることだが、選手たちはプロ意識に欠けている。最後まであきらめない、戦う姿勢が伝わらない」
 
 「下を向いている暇があれば次の行動を」
 
 「欠けているのは、積極的な姿勢・試合中の選手同士のコミュニケーション・精神的な柱となる選手」
 
 「サポーターは成長したのに、球団はなぜ成長できないのか?」
 
 「厳しいことを言うが、チームは身売りも選択肢に入れ、スポーツに関心、興味をもってくれる経営者、企業を国内外から募集すべき」
 
 間違いはひとつもないと断言できる。コンサドーレのサポーターの意識が高いことの証明だ。
 
 銭湯や居酒屋談義ではもう少し過激になるが、これも面白い。
 
 「もともと、Jリーグの前の日本リーグ時代は観客はぱらぱら!Jリーグになったからといって、実力が格段に上がるわけがないんだって!」
 
 「J1だ、J2だって、チーム数が多すぎるよ。レベルが低くなるだけだよ」
 
 「サッカーってのは、スポーツのレベルとしては低いな。ファウルが多すぎるし、痛がりかたを見れば足が折れたかと思うのにすぐケロって、だましが多すぎだよ」
 
 これらの声に対しては、チームは違うが不祥事への対策として川崎フロンターレが発表した「フェアプレー10カ条」の内容がその答えになるだろう。
 
 「汚いプレー禁止」「報復行為禁止」「審判の判定に従え」「ファウルを受けても相手とは握手し、禍根を残すな」「ユニフォームのすそを出すな」「交代はきびきびと」「ファウルでいつまでも倒れるな」「試合が終わったら感謝して審判と握手しろ」「相手を称えて握手しろ」「サポーターへのあいさつは、勝っても負けても堂々としろ」
 
 見方を変えれば、この10か条が発表されなければならないほど、サッカー界は乱れているということだ。
 
 コンサドーレ札幌は立ち直れるか?
 
 移籍が決定した、中山雅史・藤山竜仁・内村圭宏選手は大戦力になり得るか?
 
 ゴン中山は42歳、藤山は36歳、内村は25歳、ゴンと藤山の加入はチームに闘争心と落ち着きを与える効果もあり、喜ばしい。さらに元コンサドーレ戦士で人気者だった村田達哉強化担当がアシスタントコーチに就任することも決定した。
 
 ベテランがリーダーシップを取りながら、若手を鍛える本来の成長するチームの姿になることが予想され、これも喜ばしいことだ。
 
 中山雅史選手の入団発表は、12月24日。コンサドーレ札幌サポーターへのクリスマスプレゼントになることを意識したものかもしれない。
 
 中山雅史選手は確かにかっての大スター。今は42歳という年齢以上に体に古傷を抱えていることも事実だ。しかし本人の持つカリスマ性と明るい性格は、観客動員力を持つことも確かだ。ファン獲得・スポンサー獲得には大きな力を発揮するだろう。
 
 と、同時に球団は最後の札を切ったことも事実だ。来季、J1昇格がならなければ、少なくとも昇格争いに加われなければ、つまり中山雅史という最後の札を手に入れながら、成績も球団経営も変わらなかったとしたならば、あるサポーターの言うように「身売りも選択肢に入れ・・・」ともなりかねないのだ。
 
 先日見た奇跡の光景をアドヴァイスとして伝えよう。
 
 全日本バレーボール選手権、九州Cブロック代表の東九州龍谷高校は予選で大学2校を破り、セミファイナルラウンドではVチャレンジリーグ所属の三洋電機を3-0、ファイナルラウンドではVプレミアリーグ所属のNECを3-2、さらにパイオニアを3-1で破り、史上初の快挙を達成。ベスト4に進出。準決勝は久光製薬に1-3で敗戦。
 
 私が奇跡というのは、まず彼女たちの礼儀。例えば礼の美しさ。そして、勝ち負けを超越した繋ぎへの執念。誰もがもう駄目だと思うところから、ボールを床に落とさない必死のレシーブ。外国人選手もいる大人のチームの強烈なスパイクを時には顔で受けながら、それでも繋いで反撃にでる健気さ。ついに観客が彼女たちのプレーを見ながら、泣き出したのだ。私もその中の一人だった。
 
 とても良いものを見せてもらった。
 
 例えば、来年、コンサドーレ札幌の戦いが、フェアプレー賞を受賞するような清々しいもので、試合後のサポーターへの礼も揃って美しく、試合内容も必死さが見られ、常にサポーター・スポンサーへの感謝に満ちたものであるならば、そしてサポーターを泣かせるものであるならば、そこには存在意義が立脚するだろう。(文、スポーツライター・伊藤龍治)
 

伊藤 龍治の「スポーツ見聞録」
http://www.hokkaido-365.com/365column/itou/

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