「昨年、制作したミッキーマウス(ディズニーキャラクターが揃った大雪像「夢~Dreams~」)もつくるのは相当難しかったが、今回の難易度はその何十倍。ここは雪まつりに来る200万人を迎える玄関口。観客が『うわぁ~っ』と驚くものをつくらなければならない」。
札幌市中央区の大通会場(西4丁目)で大雪像づくりの陣頭指揮を執る陸上自衛隊第1雪像制作隊の棟梁・廣瀬英之さんはそう語る。
大雪像の制作テーマは「北の動物園」。主役は、札幌市円山動物園と旭山動物園の人気動物。円山動物園のユキヒョウ、シロクマ(ホッキョクグマ)、オオワシ、旭山動物園のペンギン、オオカミ、オランウータンなどを雪像で表現する。
廣瀬さんらは、両動物園に赴き、園長や飼育員から生態や飼育方法を学び、写真を撮影した。
大雪像の制作について廣瀬さんに聞いた。
--「北の動物園」の見所は。
「今回は見所ありすぎです。大雪像は漫画チックでなく、特徴を表したリアルなものにしたい。鋭い表情のものは鋭く、怖いものは怖く表現する。シロクマの母親は、雄とは違った優しい顔。ペンギンの行進も、あちこちを向いて気晴らしに歩いている感じです。目や顔つき、毛並みなどを雪でもこんなに精巧につくれるのか、というレベルまで再現する。観客がステージに登ってでも見たいという仕上がりにします」
--動物の配置はどのように決めたのですか。
「デザインをする時点で、左右のバランスに考慮しました。大雪像は向かって右側に旭山動物園の動物、左側を円山にしました。天秤が釣り合っている状態のように、視覚上も左右の動物の重量バランスを重視しました」
--動物は、それぞれの体型や色がさまざま。それを雪の白だけで表現するのは難しい。
「太陽をこっちのものにすることです。動物の詳細な模様や色などを日差しを受けた影で再現します。そのために不純物が入っておらず、影の部分が灰色にならない中山峠の透明な雪を使います」
--大雪像が一番きれいに見える時間帯は。
「太陽の昇り際と沈み際、斜めから陽が差している時間。中でも早朝の朝6時半ぐらいまでは大雪像が青く光って一番きれいです」
大雪像は来月3日の完成予定。さっぽろ雪まつりの開幕は5日。(文・東、写真・久保)
※大雪像はステージに上がってみることはできない
写真・「北の動物園」制作現場
写真・化粧雪はバケツで上部に運搬される
写真・「北の動物園」の模型
写真・昨年の大雪像「夢~Dreams~」
陸自制作大雪像の舞台裏 新棟梁が語る「韓国・百済王宮」匠の技
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