自身の偽装献金問題が取り沙汰された首相・鳩山由紀夫、続いて道11区選出・石川知裕が昨日、政治資金規正法違反で起訴されるなど、このところ北海道選出国会議員は話題に事欠かない。
2人ほどではないが、最近、国会やテレビで鳩山政権を批判する北海道5区の選出の町村信孝も、ウルサ型の野党議員として露出度を高めている。
「ここまで財政赤字を膨れ上がらせてバラマキの公共事業をやってきたのはどの政党か。自分たちのツケを放っておいて、いまの政権に文句を言うのはやめていただきたい」。先月25日の衆院予算委員会で国土交通相の前原誠司が逆ギレ。
前原の神経を逆撫でさせたのは、「なぜ民意を問うことなしに八ッ場ダムをやめたのか。公共事業こそ地方の民意を問うべきだ」などと、政府の政策に噛み付いた町村の発言。政策通として知られ、外相や官房長官を歴任した自民党最大派閥の領袖だが、地元での人気はいまひとつ。その町村の動向がにわかに注目されている。
これまで"無敗"の町村が臨んだ昨年8月30日の衆院選で、自民党は歴史的な大敗を喫した。小選挙区で続々と大物議員が落選する中、町村も長年守り続けた北海道5区の議席を民主党の小林千代美に奪われた。苦杯をなめた町村は比例で辛くも復活当選を果たした。
投開票日から日付の変わった31日午前1時。復活当選の報を受けて、再び、事務所に到着した町村は、支援者に「比例復活させていただき、ありがとうございました」と深く頭を下げた。続いて「街頭演説など反応がとても良かったので、よもや負けるとは思っていなかった。私の気がつかないところで地殻変動が起きていたのだなぁと思う」と胸中を吐露した。
しかし、事前の世論調査では、いずれも小林が先行しており、町村の劣勢は明らかだった。
北海道5区は「政権交代」を象徴する選挙区として報じられ、小林の注目度も高かったのだが、好事魔多し。昨年10月、小林陣営の選対幹部が選挙違反で逮捕された。札幌地検は選対幹部が連座制(※1)対象の「組織的選挙運動管理者」(※2)に該当すると判断、翌月、公職選挙法違反(買収約束、事前運動)で起訴した。
検察官は先月22日、選対幹部に懲役2年を求刑、判決は今月12日に言い渡される。
選対幹部に執行猶予付きの禁固刑以上の刑が確定した場合、小林に連座制が適用される可能性が高い。3月15日までに連座制が適用されて議員を失職するか、議員を辞職した場合は、4月25日に5区の補欠選挙(※3)が実施(3月16日以降の場合も、補選を実施)される。
補選出馬での"汚名返上"が注目されるのは町村だ。以下、後編に続く。(文中敬称略 文・東、糸田 写真・久保)
(※1)連座制 親族や秘書、選挙運動を指揮監督する「組織的選挙運動管理者」が選挙違反を犯し、被告人に禁固刑以上の有罪が確定し、高検が当選無効の行政訴訟を提起し、検察が勝訴した場合、連座制が適用され、当該選挙区で当選した候補者は失職する
(※2)組織的選挙運動管理者 選挙運動全体の計画立案や調整、ビラ配り、ポスター貼り、個人演説会、電話での投票依頼などの指揮、監督を行う人
(※3)公職選挙法第33条の2(衆議院議員及び参議院議員の再選挙及び補欠選挙) 衆議院議員及び参議院議員の再選挙又は補欠選挙は、9月16日から翌年の3月15日までにこれを行うべき事由が生じた場合は当該期間の直後の4月の第4日曜日に、3月16日からその年の9月15日までにこれを行うべき事由が生じた場合は当該期間の直後の10月の第4日曜日に行う
後編


