道選挙区で独自の戦い 「みんな」「たちあがれ」「共産」

当選圏には届かずも、党勢拡大に必死

 

中川賢一、中川義雄、畠山和也氏

写真・左から中川賢一、中川義雄、畠山和也氏

 

 菅政権の発足後、民主党の支持率が回復した。それに呼応するかのように、「みんなの党」や「たちあがれ日本」など第3極に向けられる視線は一時の熱気が冷めた観は否定できない。

 しかし、首相・菅直人が消費税増税を発言、さらに民主党幹事長・枝野幸男が参院選後のみんなの党との連携に言及。選挙は最後の1週間が勝負と言われ、これらの発言は民主党の「オウンゴール」になりかねず、第3極や共産党にとっては有利な展開に変わる可能性もある。

 道選挙区でみんなの党から出馬している中川賢一(43)は、「選挙の素人が集まった事務所」(道見泰憲事務局長)で、組織もなく、資金も少ない中、本部の支持を仰ぎながら選挙戦を進めている。公示直後には法定看板へのポスター貼りでも出遅れ、地方の支持者からは「貼るのを手伝うのでポスターを送ってほしい」との電話が入るなど、支援の輪は次第に広がりを見せている。

 狙いは都市部の浮動層だ。中川賢一は拓銀、道庁での勤務経験から北海道の強みや弱みを肌で感じてきた。北海道の自立成長を促すため、「首尾一貫した政策を地道に訴え知名度を上げていきたい」(道見事務局長)との戦略だ。陣営では目標得票数を明らかにしないが、20万票が一つの目安になることは間違いない。

 実父の中川義雄(72)は、たちあがれ日本の比例候補。息子との親子対決とはならなかったものの、"ねじれ現象"が生じたことは事実。いずれにしても、中川義雄陣営にとって比例での選挙は初めてのこと。自民党の離党によって支援組織が離れ、道議時代から続く十勝管内の個人後援会が中心部隊。道選挙区で自民党参院議員を2期12年務めた実績から、一次産業団体や首長には理解者が多い。ひたすら道内を回ってお願い行脚をするオーソドックスな戦い方を続け、地盤の十勝で自民票の取り込みを見込む。

 また全国組織が中川義雄支援に回る可能性もあるという。秘書の尾張浩之は「道内でその組織が動けば一定の得票が見込める。ただ、選挙期間中に効果が出てくるのかどうか、時間との勝負だ。我々にマジックはない。目新しいことをせず地道に訴えかけていき、票をどれだけ積み上げるかにかかっている」と語る。

 10年前に北海道で発生した口蹄疫では、中川義雄が陣頭指揮を執った。口蹄疫発生農家1軒の700頭を迅速に処分するなど、1カ月で事態を収束させた。宮崎で生じた口蹄疫に際しては、知事の東国原英夫が中川義雄に当時の対応を聞きに来るなど、農政通としての評価はいまなお揺るぎない。道内での比例得票数は20万票が目安。今回の中川義雄の選挙は、有権者に過去の実績を問う「信任投票」の側面もあるはずだ。
 
 共産党の畠山和也(38)は、3年前の参院選に次いで2度目の挑戦。消費税や普天間問題も争点となるが、選対関係者は「戦いやすくなったが、畠山候補の票に結び付くかと言うと、そう簡単ではない」と気を引き締めている。

 畠山は週末を旭川を含めた都市部で街頭演説し、平日は地方をくまなく回り、17日間で道内を一巡する予定だ。商店主や主婦など消費税の増税反対の反応は良いだけに、街頭演説での浮動票取り込みを積極的に進めている。前回、畠山が選挙区で獲得したのは20万票。陣営では当選ラインを68万票と弾いており、選対関係者は、「票を増やしてくれる支持者を増やす」戦略だ。

 上記の候補はいずれも、民主、自民の公認候補に大きなリードを許している。それでも、今回の選挙は今後の党勢に直結するため、さらなる票の積み上げが不可欠となっている。(敬称略 文・小林)

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