参院選北海道選挙区 記者座談会

自民・長谷川が「三度目の正直」でトップ当選の公算

 

法定看板

写真・17日間の舌戦も、きょうでピリオド

 

 参院選北海道選挙区立候補者(届け出順、年齢は投票日時点)

 徳永エリ 48 民主・新 国民、大地推薦 TVリポーター   
 大林誠 37 幸福・新 元中学教諭  
 長谷川 岳 39 自民・新 元IT会社役員  
 中川賢一 43 みんな・新 元道職員  
 畠山和也 38 共産・新 元中学教諭  
 藤川雅司 53 民主・新 元札幌市議

  今回の参院選では、昨年8月の衆院選のような熱気が感じられないね。投票率は前回の62.40%よりも数ポイント低い予想だ。

  衆院選の時は、公示前から政権交代が現実味を帯びていたから有権者の関心も比較的高かった。

  今回の候補者は全員新人だし、選挙の争点も分かりにくい。

  首相になった菅直人が消費税の10%引き上げに言及してから内閣支持率は、じりじりと下がった。

  菅内閣の支持率ダウンは、北海道選挙区にどのような影響を与えたのだろうか。

  鳩山内閣では鳩山由紀夫と小沢一郎の「政治とカネ」に加え、衆院議員の小林千代美陣営の連合、自治労、北教組幹部が相次いで有罪判決を言い渡された。政治資金規正法違反で逮捕された衆院議員の石川知裕が民主党を離党するなど、北海道が震源だった。これが労組の足を止め、動きを鈍らせている原因だ。

  その後の鳩山、小沢の辞任は、道民の民主党支持回復にもつながった。そんな矢先の菅の消費税発言は唐突だった。

  民主党は、定数2の道選挙区に徳永、藤川の公認候補を立てたが、2議席独占は非常に厳しい状況だ。

  藤川は各種世論調査で長谷川と徳永に大きく水を空けられている。

  どのあたりが理由だろうか。

  自治労出身の藤川は、連合北海道が全面支援する組織内候補。徳永は民主党道連や国会議員、労組出身者を除く地方議員がバックアップして、無党派層の支持獲得を目指している。

  民主党の中には「地盤、看板、カバンもなく、労働組合の支援もない徳永です」と言って応援してきた地方議員もいる。

  藤川は労組"丸抱え"だから徳永よりも基礎票はあるはずだ。

  いや、必ずしもそうは言い切れない。国民新党と新党大地の推薦を得た徳永は、国民新党を支持する郵政政策研究会(郵政研)や北海道農民連盟などの支援も受けている。

  誰とは言わないが、これまでの女性候補の中には、同性から好かれない人もいた。徳永は主婦に人気のある民放番組のテレビリポーターとして知られ、女性層の受けもいい。

  民主党の札幌市議は、徳永を「売りやすい商品。上げ底ではなく、中にはきちんとアンコが入っている」と評していた。

  ただ、景気が悪い中での消費税発言もあって、民主も自民もダメと言う声も少なくない。

  そうした場合は、中川賢一になるのかな。

  確かにみんなの党は、民主批判票の受け皿になっている。党の支持率も、民主、自民に次いで高い。だが、中川賢一は出馬表明が遅れたし、道内組織も十分でない。それに父の中川義雄は、たちあがれ日本の比例候補。親子で別の政党から立起することを有権者がどのようにとらえるかもあるだろう。それでも、みんなの党は道内でも、一定数の比例票を取るだろう。

  その中川義雄は、自民党の現職参院議員だったけど、道連は、参院選候補者選考委員会で、候補者を長谷川に決めた。

  長谷川は昨年の衆院選で横路孝弘に惨敗したが、YOSAKOIソーラン祭りの創始者として知名度がある。

  実際、全道的な知名度は、札幌市議を2期務めた藤川よりも上だろう。

  自民党道連の具体的な選考理由にはならなかったが、長谷川が取り込めるであろう公明票も魅力になったようだ。

  長谷川は自民党候補でただ1人、衆院選に続き、今回の参院選でも公明の比例候補とツーショットポスターを作製している。自民と公明の関係というよりも長谷川と公明党道本の親密な関係が出来上がっており、他候補を圧倒する形で公明支持層に浸透している。だから政権交代後に目減りした自民の基礎票を一定程度、公明票でカバーするはずだ。

  その長谷川と徳永のトップ争いはどうなるのか。

  鳩山内閣の支持率ダウンにもかかわらず、自民党はこれまで"低空飛行"を続けてきた。ここにきて消費税発言の敵失もあり、支持率は回復傾向にある。一方、民主党道連は、徳永と比較して民主党支持層や無党派層の支持が低い藤川をテコ入れするため、6月30日に「緊急提起」と題する文書を関係者に送った。その紙には「『どちらか迷っている』民主支持者には、藤川への投票を促せ!」と書かれており、2議席獲得に向けた"藤川シフト"を敷いている。

  けど、民主の2候補は「すみ分け」をしていたはずだ。

  だから徳永陣営も緊急提起に戸惑っているし、それが長谷川とのトップ争いでリードされる一因とも見られている。徳永は選挙戦序盤の世論調査で先行していたが、終盤は長谷川にわずかながらも抜かれた。そもそも、民主党道連と連合北海道は、参議院候補の擁立をめぐって、関係が悪化した。組織内候補の現職参議院議員を立候補させたい連合と、峰崎に代わる清新な候補を出したい道連がさや当てをした。結局、藤川に白羽の矢を立てたものの、立起が遅れ、労組の不祥事もあり、徳永陣営ばかりが活気にあふれる状態となってしまった。

  それが緊急提起にもつながったわけだ。

  共産はどうだい。

  本来であれば、共産支持層の2割程度は民主に流れるはずだが、今回は消費税に反対する共産がほとんどを取り込むだろう。畠山はソフトな人柄だが、運動は無党派層を共産の比例票に結び付けるまで広がっていない。

  ともかく、今回の選挙は、長谷川がトップ当選を飾りそうな情勢だ。もっとも、候補者を1人しか立てなかった自民が、民主にトップを奪われたら面目丸つぶれだ。(文中敬称略、文・取材班)

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.hokkaido-365.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/2958

特集記事北海道のローカルニュースを発信する情報サイト

月別 アーカイブ