札幌市では昨年、北海道中央バスの路線存廃問題や下水道電気設備工事を巡る官製談合事件、母親による女性の監禁見過ごしなど、不祥事が続発、上田文雄市長はその対応に忙殺された。その一方で、年末には北海道新幹線の部分着工問題(長万部ー札幌間)が前進したものの、時間短縮効果の薄いスーパー特急方式での整備も懸念されている。以下、上田市長との一問一答。
--昨年は市職員による不祥事や不手際が相次ぎました。中でも公正取引委員会が認定した官製談合は、長年にわたり続けられてきたものでした。しかも、関係者の協力が十分に得られず、調査結果も満足できる内容ではありません。
上田 弁護士にお願いをした調査委員会の調査においては、明確にならなかった詳細の事項はありつつも、下水道工事の一部に20年ほど前から官製談合があったという認定のもとに、有効な改善策を提言いただいたと考えています。このうち既に、一部の改善に着手しているところでありますが、今後とも、契約事務等の監視体制を強化するなど、官製談合が二度と起こらないような体制を整えたいと考えています。
--札幌市は4月から職員の天下りを「全面廃止」する規制策を導入しました。それでも、再就職した職員は、市の出資団体の赤字、黒字にかかわらず、前職(局長、部長など)によって報酬が決まっています。これを是正する考えはありますか。
上田 本市の出資団体に再就職する本市退職者については、札幌市職員の再就職に関する取扱要領(04年3月31日市長決裁)において報酬限度額を定めているところですが、これは04年度に従来の限度額を1割削減した額に改めたものであります。
その後、この報酬限度額の見直しは行っておりませんが、この他にも退職金を不支給とするなど、総報酬額を抑制するための措置を講じているところであり、現段階においては、報酬限度額を見直す考えはありません。
しかしながら、公的な団体である出資団体の報酬水準を適正に保つことは必要なことでありますので、社会経済情勢等に十分配慮しながら対応していきたいと考えております。
--市営地下鉄路線の延伸、石狩方面への軌道系交通機関の導入について、実現する可能性はありますか。
上田 地下鉄路線の延伸や、石狩方面への軌道系交通機関導入の検討の必要性につきましては、01年4月に札幌市総合交通対策調査審議会から答申されております。今後はパーソントリップ調査の結果も踏まえ、その可能性について検討を進めてまいりたいと考えています。
--政府・与党の整備新幹線作業部会は、昨年12月、北海道新幹線について「09年末までに認可するための検討を進め、結論を得る」とする内容で合意しました。しかし、整備方式は「フル規格」と明記されず、スーパー特急方式での建設が懸念されます。
上田 正式決定ではなく、今年の年末までに決めましょうということですね。
--スーパー特急方式で整備するメリットはほとんど考えられません。やはりフル規格での建設が必要です。
上田 当然、そうですね。財源の措置としてどれぐらいを認めるかをいま考えて、とりあえず現時点で北海道新幹線を札幌まで延伸できる財源としてスーパー特急方式を含めて検討しましょうという段階的な話です。経済合理性や必要性からしても、そこで止まるとは到底思えず、私はあり得ないことだと考えています。
我々がフル規格以外のことを要望したことは一度もありません。
いま国は百年に一度と表現される世界同時不況の中、必死に経済対策に取り組んでいますが、私は「どこにそんなお金があるのか」と思っています。財政を健全化していくという理由で国債を1年間に30兆円以上発行しないと決めたり、いろいろな苦労してきたことは何だったのだろうかと。
小泉内閣時代に取り組んできた改革、財政規律はいま吹っ飛んでしまっており、私は非常に心配しています。
国の方針として何としても雇用を確保するなどとして、お金がどんどん使われる状況の中、お金の使い方としては後に明確な効果が残るものをやっていただきたい。
北海道新幹線の新函館までの事業費もある程度積み増しされて(報道では国は整備新幹線事業費約100億円を北海道新幹線に配分する方針とのこと)、早期開業への期待も高まっています。
そういう意味で同じ予算を使うならば、大事な社会インフラである新函館から札幌までの区間を早く着工できるように政策をしっかりやっていただきたいと要望したところです。
私は4月3日、国土交通省にも、議員の先生方にも「札幌の方を早く決めてほしい」と言って来ました。「札幌延伸は今年12月に決めることになっているが、そんなことではなく、6月に決めてほしい。決定を半年繰り上げるだけでも景況感は全然違ってきます」と。いま一銭もお金を使わなくても、みんなが「そうか、いよいよ北海道新幹線を頑張るんだな」ということを聞いただけで、元気になると伝えました。
--ありがとうございました。(ききて・東)

