2001年6月に入り口付近で崩落が起きて以来、封鎖されていた千歳市の「苔の洞門」が、7月から約8年ぶりに開放される。
市職員と環境省、道などで組織する「洞門運営協議会」は25日、現地で崩落の有無などを視察し、ガイドの誘導が付く「モニタリング調査ツアー」であれば開放できると判断した。入り口付近は依然崩落の危険性が高いため、調査ツアーは終点部から入り口方向に向かう道順で実施する。
実施期間は7月から9月までの計6回程度を予定。1回あたりの参加者は約10人の見込みだが、雨天時など、崩落の恐れがあるときはガイドや協議会が中止の判断をする。参加募集は7月上旬から市のHPなどを通じて行う予定。
観光名所として知られる苔の洞門は、風不死岳の麓にある枯れた峡谷に無数の苔がむす奇勝地。樽前山が噴火したときに流れ出た溶岩の割れ目が、沢水などに浸食されて自然の回廊を形成している。深さ最大約10メートル、総延長約420メートル。切り立った岩肌を苔が覆う景観は、ビロードに例えられるほど美しく幻想的。
苔の種類はエビゴケ、チョウチンゴケ、オオホウキゴケなど約30種。これほどの苔の群生は適度な温度、湿度と日照量に加え、長い歳月を要するため、学術的にも貴重。封鎖される以前は、年間14万人~18万人が訪れていた。
市観光振興課は「洞門の再開に関する問い合わせや要望をほぼ毎日受けてきたが、それにわずかでも応えることができるのはうれしい。調査後にはアンケートも行うので、貴重な意見などもいただけたらと思います」と話す。(文・久保)

