4月の道内企業倒産 「緊急保証制度」効果で件数は減少

「販売不振」「既往のシワ寄せ」など不況型が8割超。

 

 東京商工リサーチ北海道支社は、7日、今年4月の「北海道地区企業倒産状況」(負債総額1,000万円以上、内整理含む)を発表した。

 倒産件数は前月比9件減の56件。負債総額は同71億9,500万円減の145億7,900万円となった。

 負債が10億円以上の大型倒産は、貸金業「丸証」(札幌市、負債25億円、破産)、造園・土木工事「国策」(札幌市、同16億円、民事再生)、飲食店経営「普門塾」(札幌市、同13億円、破産)、貸金業「共和アセットコーポレーション」(旭川市、同12億4,000万円、破産)、土木工事「大道建設」(紋別市、同11億円、取引停止)の5件。

 倒産企業56社の業種別件数は、建設業が最多の24件。建設業は前月から3件の増加、業界の受注環境は改善させず、厳しさを増している。以下、製造業11件、サービス・他6件、卸売業5件、小売業、運輸業各3件、金融・保険業2件、不動産業、通信業各1件と続いた。

 原因別の内訳は、販売不振42件、放漫経営5件、他社倒産の余波、既往のシワ寄せ各3件、設備投資過大1件。

 同支社は、今後の道内経済を次のように観測している。

 「年初からハイペースで進んでいた上場企業の破綻が、この4月はひと段落を見せた。ただし、上場企業の決算見通しや監査法人の動き、あるいは金融機関の債権者区分の見直しなどで、今後、状況が変化をきたすことも予想される。また大手の業績悪化を受けて、さらなる工事見送りや生産調整などの影響が顕在化することも懸念される。このところの企業の業績悪化が、潜在する負債など経営の実態を浮き彫りにすることで、粉飾決算の露呈により破綻に至るケースが目立っている。また民事再生を含めて、企業再生への取り組みが増えているが、こうした経営環境が厳しさを増す中で苦境を逃れようとする企業の一部には、安易な計画から負債を拡大させて破綻に至る事案も少なくはない」

 「3月の長谷川物産に続いて、4月には丸証、共和アセットコーポレーションと事業者向け貸金業者の破綻が相次いだ。こうした業者は、長年にわたって財務体質の脆弱な零細企業の資金繰りを支えてきた側面があり、資金調達先を失ったこうした体力の弱い企業の資金繰りに、今後、支障をきたすことが想定される。この4月の北海道の企業倒産は56件と、前月および前年同月と比べて減少している。これは、昨年から実施されている『緊急保障制度』の効果によるものとみられるが、前回(1998年)の『特別保障制度』時に比べ審査基準が厳しい分、経営内容が悪化した企業は資金調達が難しいのが現実である。従って、このまま企業倒産が沈静化に向かうとは判断しきれず、当面、景況に影響されながら現状維持で推移するとみられる」(文・東)

 

東京商工リサーチ
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