事業費34億円 札幌市、藻岩山の老朽施設を来年から全面改修

バリアフリー整備と展望台までの"スロープカー"を導入。

 

「もいわ山ロープウェイ」と藻岩山から望む夜景

写真・「もいわ山ロープウェイ」と藻岩山から望む夜景(提供・札幌市)

 

 「もいわ山ロープウェイ」は、年間33万人(2007年度)が利用する札幌の観光名所。1958年に建設され、72年の札幌オリンピックに合わせて改修したが、37年が経過、老朽化が進んでいる。

 札幌市は、来年4月から1年間、もいわ山ロープウェイや展望台、関連施設の全面改修を行うため、施設を休業する。

 市は今年3月、「藻岩山魅力アップ構想施設再整備基本計画(案)」を策定。バリアフリー施し、障害者がより利用しやすく、自然環境や利用者の安全面にも考慮した魅力的な施設となることを目指している。

 改修の総事業費約34億円を投じる予定。内訳は展望台に20%、山頂駅と山麓駅の改築やインフラ整備40%、ロープウエーの運搬器交換や歩行支援施設36%、公共工事4%。

 改修する施設と内容は以下のとおり。

[山麓駐車場]
 収容台数を現在の60台から120台程度に増やすため、敷地面積の拡大や立体駐車用の設備を導入。

[散策路]
 水道記念館と山麓駐車場を結ぶ散策路を整備。

[ロープウエー駅下広場、ロープウエー山麓駅]
 勾配と段差による車いすでの利便性の低さを解消するため、車寄せやエレベーターを新設。

[山麓歩道]
 急勾配の坂道は冬期間に転倒しやすく危険なため、ロードヒーティングを整備。

[ロープウエー]
 老朽化した運搬器を交換。

[中腹広場、駐車場]
 ロープウエーの利便性を向上させるため、駐車場の新設や景観整備。

[ロープウエー、森林体験型輸送施設共同駅舎]
 バリアフリー対応とするため、建て直し。

[山頂森林体験型輸送施設]
 山頂駅から展望台まで、自然を楽しみながら移動できる施設を新設。候補としてスロープカーを検討中。

[展望台へのアクセス(大型バス、障害者車両用)]
 車寄せの設置など、障害者が利用しやすくなるように整備。

[自然学習歩道]
 山頂駅駅舎から展望台まで歩いて自然を体験できるように歩道を新設。

[給排水設備]
 全トイレをくみ取り式から水洗式に整備。

[札幌紹介施設、登山者休憩施設]
 展望台での眺望ばかりでなく、藻岩山の歴史を学べるスクリーン上映などを実施。登山客の利用を踏まえ、脱衣所、靴の洗い場などを新設。

 市の観光企画課は、「ロープウエー、観光道、登山の年間利用者は毎年60万人程度。改修により90万人まで増加する見通し。改修後は、目新しさによる集客に頼るのではなく、企画、イベントの充実を図るなど観光客にも市民にも魅力を発信する施設にする」と話す。

 ロープウエーの管理運営を行っている札幌振興公社は、改修前に藻岩山を楽しんでもらおうと市内の小学生を対象にロープウエーを無料開放している。期間は来月31日まで。(文・久保)

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