「個人情報保護法に対する過剰反応。調べるほどグレーゾーン、ブラックゾーンの案件が出てくる」
写真・3日に札幌市役所で記者会見を開いた
市民団体「北海道市民オンブズマン連絡会議」の
茶木一圀理事(左)と橋本勝三郎代表幹事
札幌市議会は今月から政務調査費の収支報告書と領収書を全面公開した。これまで政務調査費の領収書は5万円以上の支出分に限って公開されていたため、情報公開度は高まったともいえるが、領収書の一部は受領者の氏名などが黒塗りされたままの状態となっている。
市議会事務局はこの件について「黒塗りは事務局の判断。領収書の受領者が個人の場合、個人情報保護のため、氏名と住所は黒塗りにした」と説明する。
しかし、公金使途などをチェックする市民団体「北海道市民オンブズマン連絡会議」は、「せっかく全面公開となっても、黒塗りがあれば部分公開と言わざるを得ない」(橋本勝三郎代表監事)と主張、先月26日、早瀬龍宏市議会事務局長に公開質問状を提出した。
連絡会議は、領収書を黒塗りした根拠と必要性、市民が収支報告書を閲覧できる場所の拡充を求め、その回答期限を7月3日とした。
早瀬事務局長による「黒塗り領収書に関する公開質問状」の回答(3日付)は、「市議会政務調査費の交付に関する規則、札幌市情報公開条例の規定に基づき、個人に関する情報等を非公開の取り扱いとしたところ。領収書等に記載されている個人名やその住所・連絡先等が、マスコミやインターネットを通じて無制限に公になることにより、個人情報の流出や詐欺などによる被害を考え、個人情報の保護については、慎重に配慮することが必要であると判断した。個人情報保護とのバランスを図りながら、政務調査費の閲覧制度の趣旨を損なわないよう、引き続き情報公開に努めていきたいと考えている。閲覧場所については、より多くの方が身近に閲覧できるよう広く検討を進めていきたい」としている。
回答を受け、3日午後4時から市役所で会見を行った橋本氏は、黒塗り領収書の問題点を次のように指摘した。
「納税者の視点と議会事務局の考え方には落差がある。公人(市議)が公務で支出したものが、(支払い先)担当者の名前や割り印の果てまで黒塗りしているのは過度の反応。これでは、疑念、疑惑が増幅するだけ。(政務調査費で購入した)ウイズユーカードの中には、市議会に出向いたなどの記載が何もないものもある。これでは(市議の)家族や支援者に渡したとしても分からない。領収書を調べれば、調べるほどグレーゾーン、ブラックゾーンの案件が出てくる」
個人情報保護法は、災害や大規模な事故などが発生した際の安否情報を要する際でも、法律の理念を逸脱した拡大解釈がなされることがあり、国民の安全に支障をきたすこともある。領収書の黒塗りも、同様の解釈によって、あらぬ疑念を生じさせかねないものだ。(文・東)
写真・市役所本庁舎で閲覧できる政務調査費の領収書
写真・「北海道市民オンブズマン連絡会議」は、昨年度分の
政務調査費領収書「黒塗り」件数を会派ごとに明らかにした


