札幌の観光名所として知られる藻岩山(標高531メートル)は、来年4月から1年間、施設を休業し、全面改修を実施する。
2007年度の藻岩山の入場者数は49万3247人。市内の施設ではモエレ沼公園や円山動物園などに次ぎ、5番目の集客力を誇る。
8人乗りのゴンドラを運行させていた「もいわ山ロープウェイ」は、北海道大博覧会に合わせて1958年に開業。札幌オリンピックが開催された72年に現在の66乗りゴンドラに改造したが、すでに37年が経過している。69年に建設された山頂展望台も含め、関連施設の安全性や自然環境への配慮、バリアフリーなどさまざまな課題が山積していた。
札幌市は今年3月策定の「藻岩山魅力アップ構想施設再整備基本計画(案)」を基に、1日、「藻岩山魅力アップ構想施設再整備基本計画」を作成、7日の市議会経済委員会で計画を報告、公表した。
改修に伴う総事業費約34億円。
<山麓エリア>
・山麓駐車場 収容台数を現在の60台から120台程度に増やすため、敷地面積の拡大や立体駐車用の設備を導入。
・散策路 水道記念館と山麓駐車場を結ぶ散策路を整備。
・ロープウエー駅下広場、ロープウエー山麓駅 勾配と段差による車いすでの利便性の低さを解消するため、車寄せやエレベーターを新設。
・山麓歩道 急勾配の坂道は冬期間に転倒しやすく危険なため、ロードヒーティングを整備。
<中腹エリア>
・ロープウエー 老朽化した運搬器を交換。
・中腹広場、駐車場 ロープウエーの利便性を向上させるため、駐車場の新設や景観整備。
・ロープウエー、森林体験型輸送施設共同駅舎 バリアフリー対応とするため、建て直し。
・山頂森林体験型輸送施設 山頂駅から展望台まで自然を楽しみながら移動できる施設を新設。候補としてスロープカーを検討中。
<山頂エリア>
・展望台へのアクセス(大型バス、障害者車両用) 車寄せの設置など、障害者が利用しやすくなるように整備。
・自然学習歩道 山頂駅駅舎から展望台まで歩いて自然を体験できるように歩道を新設。
・給排水設備 全トイレをくみ取り式から水洗式に整備。
・札幌紹介施設、登山者休憩施設 展望台での眺望ばかりでなく、藻岩山の歴史を学べるスクリーン上映などを実施。登山客の利用を踏まえ、脱衣所、靴の洗い場などを新設。
市の観光企画課は、「ロープウエー、観光道、登山の年間利用者は毎年60万人程度。改修により90万人まで増加する見通し。改修後は、目新しさによる集客に頼るのではなく、企画、イベントの充実を図るなど観光客にも市民にも魅力を発信する施設にする。改修後、ロープウェイの料金は現行の1100円から1700円になることを想定している」と話す。(文・久保)


