東京商工リサーチは10日、今年7月の「全国企業倒産状況」(負債総額1000万円以上)を発表した。
倒産件数は前年同月比14件増(1.0%増)の1386件。7月としては2006年以降4年連続で前年同月を上回った。08年2月から続いてきた上場企業の倒産は、7月には発生せず、17カ月でストップした。
倒産の形態別では、法的倒産件数が同106件増の1067件。全体の76.9%を占め、6月(75.3%)を上回り過去最高となった。中でも、破産は過去最多の981件に達した。
負債総額は同44.2%減の3710億0100万円、4カ月連続で前年同月を下回った。負債総額が3000億円台だったのは、08年2月以来1年5カ月ぶりのこと。負債100億円以上の大型倒産は、前年同月(11件)を大幅に下回る4件だったため、7月の負債総額は今年最少になった。
都道府県別では、増加が19都府県、減少が24道県。2カ月ぶりに「減少」が「増加」を上回った。道内の倒産は、前年同月を33件下回る(45.8%減)39件だった。
産業別では、製造業が11カ月連続で前年同月を上回り、増勢が続いている。建設業は、情報通信業とともに今年最多の件数となった一方、不動産業が8カ月ぶりに前年同月を下回った。
同社は今後の動静を次のように観測している。
「負債100億円以上の大型倒産は、4月11件、5月7件、6月8件、7月4件と減少した。これは『景気底打ち』に伴う業績回復というより、政府主導で進めた日本銀行、日本政策投資銀行による資金環境の改善策が一定の効果を生んだ結果と見られる。7月は負債10億円以上が64件と前年同月比15.7%減少の一方、同1億円未満は912件と同8.8%増加し、中小・零細規模の倒産が増勢の兆しをみせている」
「中小企業の厳しい経営環境の改善には時間が必要だろう。需要回復の遅れや価格下落で売り上げや収益の悪化に歯止めがかからず、金融機関の貸出姿勢にも変化はみられない。また、今夏の天候不順が季節商品を中心に個人消費を抑制する可能性も出てきている。中小企業の資金繰りは景気転換期に需要ギャップが拡大する。景気の先行指数に明るさが出てきた時期こそ要注意である。秋口以降の企業倒産は、上場企業などの大型倒産は散発にとどまるが、中小・零細企業の"小口増加"基調で年末に向けて増勢をたどる可能性が強まっている」
従業員被害は同26.4%減の9880人で、1年4カ月ぶりに1万人を割った。(文・久保)
東京商工リサーチ
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