トンネルの壁面に巨大なひび割れが見つかり、7月下旬から通行止めが続いている道道小樽定山渓線。市は24日に開かれた市議会建設委員会で、ひび割れがあった「四ツ峰トンネル」(1985年竣工、1487メートル)の調査に遅れが生じ、復旧の目途はいまだに立っていないことを明らかにした。
道路を管理する札幌市南区土木部は7月29日、「四ツ峰トンネル」内壁面に、段ずれを伴う長さ5メートルのひび割れを発見。同日、朝日橋ゲート(定山渓側)から朝里ダム記念館までの約27.6キロを全面通行止めとした。
市は先月22日、有識者らによる「四ツ峰トンネル調査対策研究委員会」を立ち上げ、ボーリング調査や音波調査、岩石やコンクリートの強度試験などでトンネル内外の状況を探り、ひび割れの原因を調べている。同委員会は今月末までに原因を究明し、トンネル補修工事の日程や規制解除の期日を決める予定だった。
ところが、今月に入ってトンネル内の路面が隆起、地下のコンクリートに幅3センチのひび割れが発見された。また、一部の側壁で設計上は60センチあるはずの厚さが、実際には20センチ程度だった部分も見つかった。
市建設局道路維持課は「調査の中間報告によると、何らかの原因でトンネル本体に圧力がかかっている可能性があるとのこと。調査は予定通り今月末に終わるが、新たに発見されたひび割れなどによって遅れが出ており、ひび割れの原因と補修工事の工法、その日程などは10月上旬に開かれる調査対策研究委員会で判断してもらう」と説明する。
小樽定山渓線は、南区・定山渓と小樽市・朝里川温泉を結ぶ"観光道路"。通行止め区間には定山渓ダムとさっぽろ湖を一望できる展望台があり、紅葉シーズンには定山渓温泉街の宿泊客などが紅葉狩りに訪れる。また、毎年11月下旬には札幌国際スキー場がオープンし、札幌方面から多くのスキー客が来場する。
市は19日、紅葉観光の影響に配慮し、四ツ峰トンネルから約800メートル手前の展望台まで通行止めを解除した。さらに、朝里側も札幌国際スキー場の入口まで通行できるようにしたが、札幌国際スキー場は年間来場者の約8割が札幌方面からの客で占めるだけに、オープンまでにトンネルが復旧しなければ死活問題となる。
道路維持課は、「トンネル補修工事と並行して、トンネルを暫定的に片側通行にすることは可能。札幌国際スキー場のオープンまでには片道通行ができるように努力したい」と話すが、片道通行のためには最低1カ月程度の工事期間が必要となる。
四ツ峰トンネルは2004年にも、トンネル内天井部分のコンクリートが劣化、剥落する事故が発生しているだけに、調査の結果によっては工事期間が延びることも予想され、その場合、札幌国際スキー場に及ぼすダメージは計り知れない。(文・糸田)
「四ツ峰トンネル」で発見された巨大なひび割れ
(写真提供:札幌市南区土木部維持管理課)
最大で約11センチ隆起したトンネル内の路面
(上)、「四ツ峰トンネル」の断面図(左下)、路
面の地下で発見されたコンクリートのひび割れ
(写真提供:札幌市建設局道路維持課)

