上半期の道内企業倒産 件数は前年同期比3割減

緊急保証制度が奏功、中小・零細企業の倒産が大幅減。

 

宮川建設

写真・6月に民事再生を申請した「宮川建設」

 

 東京商工リサーチ北海道支社は、2日、上半期(4~9月)の「北海道地区企業倒産状況」(負債総額1000万円以上、内整理含む)を発表した。

 上半期の倒産件数は前年同期比30.0%減の264件で、過去10年間では2番目に少なかった。緊急保証制度による中小企業向け支援政策の効果などから負債総額10億円未満の倒産件数が減ったことが要因。

 一方、負債総額は同1.9%減の1123億7200万円。2期連続で1000億円を超えた。負債が100億円を超える大型倒産は、マンション分譲「宮川建設」(札幌市、負債額123億円、民事再生)と不動産賃貸「十勝モーターパーク」(十勝管内更別村、同105億円、破産)の2件だった。

 倒産企業264社の業種は建設業が最多の92件。以下、サービス・他39件、卸売業36件、製造業34件、小売業27件、運輸業15件、不動産業10件、情報通信業5件、金融・保険業4件、一次産業2件の順。

 倒産原因は、販売不振が158件と全体の約6割を占め、放漫経営、他社倒産の余波各32件、既往のシワ寄せ21件、偶発的原因7件、過小資本6件、信用性低下4件、売掛金回収難3件と続いた。

 また9月単月の倒産件数は前年同月比17件減の26件にとどまり、1990年10月以来の低水準となった。負債総額も同184億7500万円減の52億2700万円にとどまり、大幅に減少した。

 同支社は、今後の道内経済を次のように観測している。

 「リーマンショックから1年が経過し、未曾有の経済危機は景気対策の効果もあり最悪期を脱した。景気の底入れ宣言が行われ、この北海道も景気の回復が鮮明になってきたとされるものの、まだ実感に乏しい」

 「現在企業倒産が減っているのは公共投資の前倒しや金融支援による政策的な側面が強く、まだ自律回復による沈静化とはいいきれない。今後、政権交代による政策転換や失業率の上昇、さらに新型インフルエンザの影響が懸念されるほか、個人消費にも明るさが見られず、先行きを見通しづらい状況にある」

 「この9月の北海道の倒産件数は26件と、過去最小レベルの件数に留まった。しかし実体経済がそのまま反映しているとはいえず、企業倒産はいつ増勢となってもおかしくはない。今後、借入金の返済猶予制度の法案化などが進めば別だが、経済対策の効果が薄れるにつれ資金繰りに行き詰まる中小・零細企業が増えると見られ、早ければ年末にも倒産が増加に転じると予想される」

 9月に生じた企業倒産に伴う従業員被害者は前月比478人減の171人。(文・東)


東京商工リサーチ
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