前編に続き、北海道労働局の田村正幸地方労働市場情報官に聞く、厳しい雇用情勢とハローワークの取り組み。
--緊急保証制度や公共事業の前倒し発注などから建設業の倒産件数は、減少傾向にある。こうした状況は求人に反映されているか。
田村 ハローワークの求人数で判断する限り、公共事業の前倒しが必ずしもハローワークの求人数に結び付いているとは言えない。
--道内の季節労働者数は、どのように推移しているのか。
田村 2007年度の季節労働者は11万4698人。08年度は10万5492人だった。ピークの1980年度には約30万人いたが、3分の1になった。公共工事の減少、建設労働者の通年雇用化、労働者の高齢化、若年層が敬遠していることなどが季節労働者減少の要因と思われる。
--これだけ雇用情勢が厳しいと就職が決まらず、ハローワークの職員も大変ではないか。
田村 ハローワークの職員は、窓口で1日に多くの人の対応をしており、多忙な状況が続いている。しかし、ハローワークは全国どこでも求職者に一律のサービスをすることが前提。場所や人によって求職者の対応が違うことは許されないし、我々職員もそうしたことがないように心掛けている。求職者が一日も早く再就職できるよう、頑張っている。
--求職者の年齢にもよるが、ハローワークを何度訪れても、仕事の決まらない人もいる。
田村 何回も面接や試験に落ちている求職者には、職務経歴書の記載方法や面接の受け方などで問題を抱えている人もいる。ハローワークの職員は、職務経歴書の書き方や添削、面接トレーニングを実施したり、職業適性検査や技術、技能を売り込む指導もしている。求職者が持っている技術や技能を売り込めるように支援することが目的であり、就職をあきらめてほしくないという強い思いでやっている。求職者は一人で悩まず、職員を頼りにして相談してほしい。
またハローワークでは、企業を訪問して新規求人の開拓を推進する職員(個別求人開拓推進員)を全道に配置している。一件でも多くの求人を確保して求職者に早期の再就職を目指してもらいたい。
--新規高卒者の求人・求職状況は。
田村 新規高卒者(10年3月卒)の8月末時点での求職者は9561人。道内求人数は3235人のため、道内求人倍率は0.34倍と厳しい。求職者の約9割が道内志向。
当局としては、北海道などと連携して道内各地で求人要請や求人開拓を行い、一件でも多くの求人を確保するよう努力している。また、10月下旬から道内各地域において、新規学卒者の就職面接会を予定している。
--民主党による補正予算凍結の影響は考えられるか。
田村 現在のところ、緊急雇用対策として措置された補正予算については実施する方針と聞いている。
--求職者、企業に向けて一言。
仕事を探している人は、ハローワークに多種多様な求人があるので大いに利用して、ぜひ、良い仕事に就いていただきたい。また、採用予定のある企業は、ぜひハローワークに求人の申し込みをしてほしい。特に、10年3月の新規学卒者を積極的に採用してほしい。
--ありがとうございました。(ききて・久保)


