「来春再チャレンジ」 登山家・栗城史多が語ったエベレスト単独登頂への決意

札幌での講演で「挑戦を通じて人に勇気や元気を与えたい」と抱負。

 

栗城

写真・講演で標高8000メートルの世界を語る栗城史多さん

 

 世界7大陸最高峰の単独・無酸素登頂に挑戦している札幌市在住の登山家・栗城史多さん(27)が、24日、ホテルオークラ札幌で講演し、今年9月の遠征で登頂を断念した世界最高峰・エベレスト(標高8848メートル)について、「来春に再チャレンジしたい」と新たな決意を述べた。

 栗城さんは、2004年の北米最高峰・マッキンリーの単独登頂を皮切りに、南米(アコンカグア)、ヨーロッパ(エルブルース)、アフリカ(キリマンジャロ)、オセアニア(カルステンツ・ピラミッド)、南極(ビンソンマシフ)の6大陸最高峰を単独かつ酸素ボンベなしで制覇した。

 今年5月には、残るエベレスト登頂のためのトレーニングとして、同じヒマラヤ山脈にそびえる世界第7位の高峰・ダウラギリ(標高8167メートル)に挑戦。頂上へのアタックをインターネットで生中継し、話題となった。

 9月には満を持して、エベレストにチャレンジしたものの、標高約8000メートルまで登ったところで、体調不良とその後の天候悪化予測のため登頂を断念、今月8日に札幌に帰ってきた。

 講演で栗城さんは、「エベレスト登頂に必要な食料や燃料などの荷物は約65キロあり、単独では一度にすべてを運べず、ベースキャンプまでの間を何度も往復するため、登頂には2カ月近く掛かる。人間が上れる限界高度は標高約7500メートルと言われ、それを超えると酸素ボンベを使わない無酸素登頂では、思うように身体が動かなかったり、幻覚が見えたりする。今回のチャレンジでは、あと100メートルほどでキャンプ地だったが、横に100メートル進むのにも1時間以上掛かるほど疲弊した。頑張ればいけるかもしれないが帰ってこれないと思い、下山を決断した」と苦労を明かした。

 また、「冒険家や登山家はただ記録を求めていると思われるが、挑戦を通じて人に勇気や元気を与えれるんじゃないかと思っている。山では失敗して帰ってくることを敗退と言われるが、自分自身がもうだめだと思ってしまえば、自分が伝えられるメッセージもそこで終わってしまうので、最後まで頑張って、夢は叶うということをたくさんの人に伝えて行きたい。8000メートルまで登って思ったことは、単独、無酸素でも(登頂は)決して不可能ではないということ。工夫していけば何とか登れると感じた。またチャレンジしたい」と抱負を語った。

 栗城さんは早ければ来年3月に日本を出国、5月のエベレスト登頂を目指している。(文、写真・糸田)

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