長期化する販売不振、09年の出版業倒産件数は平成最悪の見込み

月刊誌で相次ぐ休刊、中堅企業の破綻も増加。

 

 

 東京商工リサーチが26日に公表した今年1月~9月の「出版業の倒産状況」によると、倒産件数は前年同期比19.6%増の61件。年次(1月~12月)べースで平成最多だった1992年の67件を上回るペースで推移していることがわかった。

 今年1月~9月までの負債総額は、同37.7%増の244億4500万円で、200億円を上回ったのは92年(年次べースで240億9600万円)以来のこと。負債10億円以上の大型倒産は、同2件増の6件(負債総額168億5300万円)発生し、総額を押し上げた。最も負債が大きかったのは、今年3月に民事再生手続開始を申し立てた「ユーリーグ」(本社・東京、黒坂勉社長)の65億円だった。

 倒産の形態は、破産が全体の8割超を占める50件だったのに対し、再建型の民事再生法はわずか3件。原因別では販売不振が47件に上り、業績不振が経営再建の重荷となった格好だ。

 従業員別では、5人未満の小規模企業が38件と最も多いが、20人以上300人未満の中堅企業が前年同期比75.0%増の14件と急増した。

 過去5年間の出版業倒産件数は、2004年54件、05年44件、06年61件、07年66件、08年64件。06年以降、高い水準が続いている。

 出版科学研究所が推計した08年の出版物販売金額は、前年比3.2%減の2兆0177億円で、4年連続で前年を下回った。内訳は、「書籍」が同1.6%減の8878億円、「雑誌」が同4.5%減の1兆1299億円(11年連続で前年比減)。特に月刊誌の販売部数は同6.5%(16億1141万冊)減で、同研究所が調査を開始した53年以来、過去最大の落ち込みとなった。

 東京商工リサーチ経済研究室は「出版業の倒産件数が増加している背景には、出版市場の低迷が長期化していることが挙げられる。インターネットの普及など情報源、娯楽の多様化が雑誌の定期購読者を減少させ、雑誌広告の出稿量の減少と相まって、有名雑誌でも休刊になる情勢。今年1月~6月には、『月刊現代』や『諸君!』、『STUDIO VOICE』など過去最多の119誌が休刊となった。中堅企業の倒産が増加しているのは、活字離れなどで書籍にヒットが生まれにくく、中堅でも商品が多く売れ残ることが一因。売れ残りは出版社に返本されるので、返本率が高ければ、銀行などからの借入金が増加し、経営悪化を招く」と分析する。(文・久保)

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