収拾図れず、議員報酬削減を市長に"丸投げ" 札幌市議会改革検討委の体たらく

計8回の審議を経て成果はなし。

 

橋本勝三郎氏

写真・「議会改革・機能強化検討委員会」の議
員報酬"丸投げ"決定を批判する橋本勝三郎氏

 

 札幌市議会の役割や歳費のあり方などを各会派の幹事長で議論する「議会改革・機能強化検討委員会」(座長・藤原広昭市議)は17日の会合で、議員報酬のあり方について、各会派の意見がまとまらないとして、上田文雄市長に判断を委ねることを決めた。

 「改革検討委」は今年7月、福士勝議長の指示で約1年半ぶりに再開された。これまで8回の会合で、議員定数(68人)や議員報酬(1人月額86万円)、政務調査費(同40万円)、海外視察費(1人1任期80万円)の見直しなどについて話し合ったが、決まったのは道外視察の縮減(3泊4日から2泊3日に日程を変更)などに過ぎない。

 市議の報酬に関しては、上田市長が今年7月、有識者らによる「特別職報酬等審議会」(会長・中村睦男北海学園大学教授)を設置し、市長や副市長、市議、行政委員など特別職の給与・報酬の妥当性を諮問している。

 「改革検討委」では、議員報酬について各会派から「特別職報酬等審議会の答申を尊重する」「現状維持が妥当」「減額するべき」「議会独自に第三者機関を設けて検討すべき」など意見がまとまらず、合意に至らなかったとしている。

 しかし、同審議会はすでに市長・副市長の給与、市議の報酬について、「据え置き」と答申することで合意しており、「改革検討委」が議員報酬を上田市長に一任しても据え置きは揺るがない。

 市民団体「北海道市民オンブズマン連絡会議」の橋本勝三郎代表幹事は、「議員報酬については、せめて道議会議員と同額(1人月額81万円)までは自分たちで縮減すると思っていたが、審議会や市長に丸投げとは・・・。自治体の財政が逼迫する中で、市議が自らの身を削る規範が示せないのは残念」と呆れ返る。

 橋本氏は9月26日、福士勝議長宛に議員報酬や政務調査費などを減額すれば、札幌市の議会歳費を年間約2億円を削減できるとする独自の試算を盛り込んだ「市議会改革に関する検討課題の申入書」を提出した。

 申し入れは、①議員報酬の10%削減、②政務調査費の35%削減、③海外視察費の廃止、④道外行政視察の見直し、⑤政務調査費の条例、規則、手引き書を見直すための「第三者機関」設置、⑥議会改革検討委員会の一般公開、⑦議員定数の削減、⑧議会基本条例の制定の8項目を「改革検討委で協議すべき喫緊の課題」とした。

 申し入れに対し、福士議長は20日、それぞれの項目について文書で回答した。その内容は①合意に至らず、②協議中、③協議中、④縮減、⑤協議中、⑥非公開に決定、⑦協議中、⑧協議中と、議会改革は進んでおらず、「改革検討委」の存在自体が有名無実となっている。

 回答を受け取った橋本氏は20日の会見で「改革検討委の審議は非公開で行われるため、各会派ごとの考え方が市民に伝わらない。改革の源泉である情報公開と説明責任が欠落しており、市民目線での議論ができていないのではないか。公開されないのであれば、今後、市議一人一人に公開アンケートや質問状を出して、各会派、各議員の考えを市民に明らかにしていくことも検討したい」と述べた。(文、写真・糸田)

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