東京商工リサーチは13日、「2009年全国企業倒産状況」(負債額1000万円以上)を発表した。
倒産件数は前年比1.0%減(166件減)の1万5480件で、4年ぶりに前年を下回った。リーマンショック後の上半期(1~6月)は前年同期比8.2%増(8169件)だったが、下半期(7~12月)は同9.7%減(7311件)となった。上場企業の倒産は、建設機械販売の「中道機械」など前年比13件減の20件にとどまったが、戦後3番目に多かった。
負債総額はリーマンブラザーズ証券の関連で5年ぶりに10兆円を超えた08年から43.6%減少(5兆3618億円減)し、6兆9300億円となった。負債総額が前年を下回ったのは3年ぶりのこと。負債額が10億円以上の大型倒産は前年比7.8%減の868件。北海道は、東京都241件、大阪府100件に次ぐ48件発生した。
産業別の倒産件数は、建設業が最多の4087件(前年比11.5%減)。以下、サービス業他2966件(同4.5%増)、製造業2619件(同11.9%増)、卸売業2192件(同1.5%減)、小売業1693件(同8.1%減)、不動産業596件(同3.7%増)、情報通信業583件(同8.0%増)、運輸業575件(同7.9%減)、金融・保険業92件(同14.0%減)、農・林・漁・鉱業77件(同11.5%減)と続いた。建設業が4年ぶりに前年を下回った反面、サービス業他が過去10年で最多となり、製造業も6年ぶりに2500件を上回った。
倒産原因は販売不振が最多の1万0736件(同5.3%増)。続いて、既往のシワ寄せ(赤字累積)1489件(同7.7%減)、他社倒産の余波1006件(同16.3%減)、運転資金の欠乏919件(同7.5%減)、事業上の失敗688件(同17.2%減)、その他139件(同0.7%減)、設備投資過大126件(同24.6%減)、取引先の打ち切り97件(同4.0%減)、金利負担の増加83件(同43.2%減)、事業外の失敗78件(同6.0%減)、融手操作55件(同24.7%減)、売掛金回収難52件(同38.1%減)、在庫状態悪化12件(同20.0%減)の順。
倒産形態の上位は、破産1万0090件(同7.9%増)、私的倒産4202件(同18.5%減)、銀行取引停止3839件(同19.3%減)、民事再生法816件(同6.9%増)、特別清算338件(同1.7%減)。破産の構成比は過去最高の72.8%にのぼった。
地区別で倒産件数が前年を上回ったのは、関東5695件(同4.7%増)、中部1706件(同9.9%増)、北陸444件(同1.6%増)、近畿4186件(同6.6%増)。前年を下回ったのは、北海道555件(同24.4%減)、東北731件(同19.9%減)、中国637件(同14.8%減)、九州1115件(同24.9%減)。四国は前年と同じ411件だった。
同社は今後の動静を次のように観測している。
「政府は11月の月例経済報告で、3年5カ月ぶりに『デフレ認定』したが、小規模企業ほど価格下落で収益悪化に苦しんでいる。日銀によると、11月の銀行貸出金は05年11月以来、4年ぶりにマイナスに転じた。中小企業向け貸出は07年9月から26カ月連続でマイナスを続け、11月のマイナス幅は前年同月比3.2%減とこの間で最大の落ち込み幅を記録した。これは08年10月に始まった緊急保証制度の反動もあるが、金融機関が与信リスクをとらずにプロパー貸出に依然として慎重な姿勢を崩していないことを示している」
「09年12月27日時点の『緊急保証制度』の保証受諾件数は89万1006件、保証額は16兆7273億円に達した。利用が鈍化するなか、12月は年末の資金需要期で約1兆円の利用をみたが、第二次補正予算で枠を6兆円上積みし36兆円に増枠される。12月4日には『中小企業等金融円滑法』が施行され、同15日には返済猶予支援のため『条件変更対応保証制度』も始まった。貸出条件緩和債権の拡充など金融庁のルールは一時より緩和され、返済猶予の相談に応じやすくなっている。だが、こうした政策支援は一時的な資金繰り緩和にとどまり、中小企業の経営改善には売上げ増と新たな資金調達が欠かせない」
「09年は緊急保証制度や上期の過去最大級の公共工事前倒し、年末の返済猶予緩和などさまざまな政策で倒産が抑制された。しかし、企業業績の低迷が長期化すれば、いずれ政策効果も薄れてくる。デフレ圧力が進み、『販売不振』を原因とした倒産が2年連続で1万件を超え、二番底への懸念を払拭できない中、資金需要の高まる年度末を迎えている。リスケ要請も見込まれるが収益改善は難しいだけに、企業倒産は競争力の弱い建設業、製造業、消費関連の小・零細企業を中心に、10年前半は高水準で推移する可能性が高い」
09年12月単月の倒産件数は、前年同月比16.5%減(226件減)の1136件となり、5カ月連続で前年同月を下回った。負債総額も同53.2%減(3370億9100万円減)の2955億7700万円にとどまった。(文、写真・東)
昨年の道内企業倒産 前年比179件減の555件
http://www.hokkaido-365.com/news/2010/01/post-699.html
東京商工リサーチ
http://www.tsr-net.co.jp/

