東京商工リサーチが「役員報酬調査」 上場企業の233人が1億円以上

117社中、減収減益が39社

 

 東京商工リサーチは22日、東証1部上場企業の役員報酬開示企業調査(最終集計)を発表した。

 今年3月に施行された「改正企業内容等の開示に関する内閣府令」により、上場企業は2010年3月期決算から役員報酬の内訳と総額、さらに年間1億円以上の報酬を受けた役員情報を有価証券報告書に記載することを義務付けられた。

 東京商工リサーチによると、東証1部上場企業1338社のうち、役員に年間1億円以上の報酬を支給したのは117社で、役員数は233人だった。

 この117社のうち、10年3月期決算で増収増益だったのは33社。増収減益が7社、減収増益が37社、減収減益が39社。増益企業が全体の約6割を占めた。

 産業別では、「製造業」(70社)が最多。「卸売業」(10社)、「小売業」「金融・保険業」(各9社)と続いた。1億円以上の報酬を得た役員の約6割(139人)は「製造業」。このほか「金融・保険業」(31人)、「卸売業」(20人)、「情報通信業」(15人)、「小売業」(13人)が上位を占めた。

 1億円以上の報酬を受けた役員が1人だったのは約半数の63社。最も人数が多かったのは、「ソニー」「野村ホールディングス」「日産自動車」(各7人)。以下、「みずほフィナンシャルグループ」「大和証券グループ本社」「ファナック」「任天堂」(各6人)、「三菱商事」「ソフトバンク」「信越化学工業」「日本板硝子」(各5人)。

 役員報酬額は、「日産自動車」のカルロス・ゴーン社長(8億9100万円)がトップ。2位は「ソニー」のハワード・ストリンガー会長兼社長(8億1400万円)、3位は「大日本印刷」の北島義俊社長(7億8700万円)。

 このほか上位には、「信越化学工業」の金川千尋会長(5位)、「双葉電子工業」の細谷礼二前会長(6位)、「日本調剤」の三津原博社長(7位)、「セガサミーホールディングス」の里見治会長兼社長(8位)など、創業者や創業家出身者、長年役員として従事した取締役や執行役が目立つ。

 1億円以上の報酬を受けた233人の役員報酬総額は389億5400万円。内訳は「基本報酬」251億8500万円(構成比64.8%)、「賞与」49億7000万円(同12.8%)、「ストックオプション」39億3900万円(同10.1%)と、業績の変動に無関係の「基本報酬」の割合が高い。ただ、上位100人では、「基本報酬」の構成比が58.9%と5.9ポイント低く、業績に連動する「ストックオプション」は1.6ポイント高くなっており、役員の実績を反映した報酬体系となった。

 1億円以上の役員報酬を支給したのは117社のうち、10年3月期決算で営業赤字(銀行は経常赤字)を計上したのは、「新生銀行」「富士フイルムホールディングス」「日本板硝子」「双葉電子工業」「住友金属工業」の5社。また株主配当が無配だったのは、「東芝」「日産自動車」「新生銀行」「日立製作所」の4社。「新生銀行」は赤字で無配ながら4人が1億円以上の役員報酬を受け取っていた。

 東京商工リサーチは「(高額報酬を受けた役員情報の開示により)役員報酬は役員の実績や会社業績に見合った額か客観的に問われることになる。また、これまで役員に対する報酬基準が曖昧だった企業にもコーポレートガバナンス(企業統治)のあり方を『可視化』で求める一つの方法ともなった。賛否両論が渦巻いた『役員報酬』の開示だったが、ディスクロージャーに一石を投じたことは間違いないだろう」としている。(文・糸田)

 


東京商工リサーチ
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/2010/1203629_1612.html

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.hokkaido-365.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/2998

ニュース北海道のローカルニュースを発信する情報サイト