"厄介者"のヒトデを消臭剤に再利用 「北海道環境バイオセクター」の挑戦

微生物の力でカラスやゴキブリなどの忌避剤も開発。

 

三國社長

写真・三國康二北海道環境バイオセクター社長

 

 オホーツク海沿岸で養殖ホタテの稚貝を食い荒らすなど、道内で漁業被害を及ぼしている「ヒトデ」。札幌のバイオベンチャー「北海道環境バイオセクター」(中央区南1条西26丁目)は、そんな"厄介者"を原料とした消臭剤や防虫剤などを販売している。

 ヒトデの有効活用について、同社の三國康二社長(57)は「漁で魚や貝と一緒に網に掛かったヒトデは、食用としての需要がないため廃棄物となるだけ。ヒトデは古来から虫を寄せつけない特性があると言われており、虫除けのために乾燥させて散布されることもある。しかし、水分を含むと強い腐臭を放つため、加工して商品化することは難しかった。当社はヒトデを廃棄する段階で新たなバイオ処理に成功し、副産物として分解したヒトデの成分を利用した商品を開発することができた」と説明する。

 同社は2002年10月の設立。酵母菌や乳酸菌など数種類の微生物を発酵させて独自に開発した「パワーリブランド菌」を活用し、水産系廃棄物や家畜糞尿などを堆肥化する事業を行っていた。

 「おがくずとパワーリブランド菌を混ぜたものに、廃棄物を入れて発酵させると、魚も貝もヒトデも完全に分解して堆肥化できる」(三國社長)。

 同社は廃棄物を堆肥化する過程で、ヒトデの成分に消臭効果があることを発見し、抽出したヒトデエキスで消臭剤「パワーブライム」を開発した。

 さらに、ごみステーションに「パワーブライム」を放つとカラスが近寄らなくなったことから、カラスの忌避剤を開発、ゴキブリやアリに効果のある忌避剤も発売した。08年にはカラス忌避剤を塗料に混ぜて印刷したカラス忌避シート「SARABA カラスくん」がメディアで取り上げられ、注目を浴びた。

 三國社長は「従来の消臭剤は、においの元をマスキング(包み込む)するものが多いが、パワーブライムは、においの元自体を分解するため、どんなにおいにも効果が高い。北海道ではゴキブリは見られないが、最近はネット販売でのゴキブリ忌避剤の需要が多い。初めは見向きもされなかったが、商品を開発できたのはパワーリブランド菌のおかげ。微生物を活用した廃棄物処理は、大きな施設や莫大な資金が必要ない。廃棄物を有機堆肥にできるので、環境にやさしい農地改良もできるはずだ。今後もさまざまな可能性に挑戦し、バイオ事業には自然環境を再生する力があることを北海道から発信したい」と語る。(文、写真・糸田)

 

商品

写真・ヒトデエキスからつくられたカラスやゴキブリの忌避剤と消臭剤

 

 

北海道環境バイオセクター
http://www.kankyo-v.co.jp/

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